<アジアパシフィックオープンゴルフ ダイヤモンドカップ 2日目◇13日◇大洗ゴルフ倶楽部 (茨城県)◇7163ヤード・パー70>
逆輸入プロが大洗の2日間を首位で駆け抜けた。日本生まれ、米国育ち、昨年5月にプロ転向した23歳の大西魁斗は1998年度生まれの“黄金世代”の一角。同世代には勝みなみ、畑岡奈紗、小祝さくら、原英莉花、そして渋野日向子らと、女子ばかりが目立ってきた。
そのなかで同学年の金谷拓実が大ブレイク。そして、2戦前には同じく黄金世代の桂川有人が国内レギュラーツアー初優勝を飾った。その桂川と優勝を争った大西は4位に終わったものの、今季は昨年の下部ツアーの賞金ランキング上位の資格で前半戦に出場している。全試合には出られないなかで、今週は推薦で出場。期待どおりのプレーで、決勝ラウンドに進む。
10番スタートの出だしから連続バーディ。「流れをつけておくのは重要で、その通りにできた」と前半だけで4バーディ。後半は1つスコアを落としたが、堂々の首位。「諦めずに最後までやろうという気持ちでやりました」と、雨が降る厳しいコンディションのなかでも集中力を保った。
5歳でゴルフをはじめ9歳で渡米。IMGアカデミーに在籍し、その後は南カリフォルニア大で活躍した。米アマチュア界を代表する選手に育ち、昨年から日本を拠点にプレーを続ける。米在住時代には丸山茂樹から教えを受けたこともあり、現在は内藤雄士コーチに師事する。
「スイングのことはよく分からないので、内藤コーチに任せています」と全幅の信頼を置いている。だが、ひとたびコースに出れば自身で考え、マネジメントを実行する。狭いコースながらティショットではドライバーを多用。「雨だし、正確性という部分で少し気になりましたが」と言いつつも、満足いく内容だったことが結果に表れている。
「やっているのは同じゴルフ。1球1球集中していけたら」と、単独首位で迎える週末に向けても気持ちの持ちようは変わらず。「はやくアメリカに行きたい」と熱望するのは米ツアー。まずはここで勝利ののろしを上げて、勢いをつけて夢の再渡米を果たしたい。(文・高桑均)
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