<リゾートトラストレディス 事前情報◇25日◇メイプルポイントゴルフクラブ(山梨県)◇6580ヤード・パー72>
ドローが持ち球だった小祝さくらが、基本の球筋を変えて進化中だ。2017年のプロテストに合格し、プロ生活5年で通算6勝を挙げ、昨季は賞金ランキング3位に入った。その屋台骨は左に曲がるドローボールである。
今季の小祝は、アマチュア時代に打てなかったフェードを基本の球筋としている。「ストレートに近いフェード」と大きく右に曲がるフェードではなく、ほぼストレートのフェードの球筋だ。「ドローがきつくなると手を返しちゃう(悪い)クセが出たり、体がターンするために引っかけだったり、タイミングが命のスイングになるのでそこを無くしたいと思ってフェードに変えました」。
プロ入り後は技術力が上がりフェードが打てるようになり、昨年も数試合はフェード主体で臨むこともあったが、「安定しない感じ。ごまかしている感じでしっくり来ていなかった」。このオフは本腰を入れてフェードに取り組んでいた。「今年はけっこう練習をして、自信をつけてコースで使っている感じです」と手応えがある。
ただ、ここ3試合はスイングにつかまえる要素を入れるためにドローを基本にした。先週の「ブリヂストンレディス」では「ティショットがかなり曲がって」予選落ちを喫した。2日間のフェアウェイキープ率はわずかに28.5パーセント。「先週のイメージが悪かったので、いいイメージに変えられるように頑張っていきたい」。先週は予選落ち後、ラウンド練習でフェードを再確認。今週は基本に立ち返ってフェードの意識で挑む。
次週は海外女子メジャー2戦目の「全米女子オープン」に出場する。出場組では唯一、今大会にエントリーした。「前回出場(2020年大会)したときに前週から入ってけっこう時間があって、まだ試合始まらないのかみたいになったので」と次週月曜日午前中に渡米する。心配されるのは時差ボケだが、「今まで海外に行ったときに時差ボケがきついなって思ってことはなかった」と、強行スケジュールにも体調面の心配はなさそうだ。
渡米に際してマイ枕とドライヤー、そして「すごくおいしいのを見つけたんです。なんかクセになるおいしさで」というイカのお菓子を8袋持参することも明かした。国内女子ツアーの連続出場記録も歴代4位の142試合で途切れるが「連続出場のことも聞かれなくなるので、気がラクです」と米国に目を向けている。
生粋のドローヒッターがフェードへの転身は簡単ではない。「ドローと動きが全然違うのですごく違和感がありますが、(フェードで)いいショットを打てた時の安定感は全然違う。もうちょっとイイ感じに仕上げられたらなと思っています」。渡米前の最後の実戦で、フェードのイメージを強固なモノとして世界の舞台に殴り込みたい。(文・小高拓)
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