<BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 事前情報◇1日◇宍戸ヒルズカントリークラブ 西コース(茨城県)◇7352ヤード・パー71>
グレッグ・ノーマン(オーストラリア)がCEO兼コミッショナーを務める新リーグ「LIVゴルフ」が、来週9日にロンドンで開幕する。公式サイトで発表された42人の出場者のなかには、2日に開幕を迎える「BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」に出場する谷原秀人、木下稜介、香妻陣一朗の3人の日本人の名前もあった。
LIVゴルフは今年、全8試合を開催。4人ずつ12チームによる団体戦と個人戦を同時に実施し優勝を争う。谷原、木下、香妻がLIVゴルフに出場すれば、次週の国内新規トーナメント、「ASO飯塚チャレンジドゴルフトーナメント」を欠場することになるが、日本ゴルフツアー機構(JGTO)では特に罰則はない。
3人ともJGTOの規定に則って海外トーナメントへの出場届を提出し、これが受理されている。JGTOの青木功会長は「チャンスは自分で作るもの。世界を経験して、本人が大きくなるんだったらいいんじゃないかな」と気持ちよく送り出す考えだ。
現在、ジャパンゴルフツアーの選手会長を務める谷原秀人は「どんなものか新しいツアーを見てみたい」と応募を出し出場メンバーに選ばれた。公式サイトによると応募数は170人以上。5月上旬には出場が決まっていたが、発表があるまで公表することができなかった。自分以外の出場メンバーについては「きょうのニュースで知った」という。決まっているのは来週の1試合のみで、他の7試合については「それは向こうが決めること」とまだ決まってない。
そしてJGTOの選手会長としての思いもある。「僕はPGAツアーも知っているし、ヨーロッパツアーも知っているし、次の新しいツアーは何をするんだろうと興味ありますね。3日間でショットガンって面白いじゃないですか。そういう部分でもイベントの部分でもいいものは日本に持って帰ってきたい」と語る。谷原は20代のときに米国男子ツアーに挑戦。18年からは欧州男子ツアーを主戦場に戦うなど、海外経験はもともと豊富なのだ。
谷原が選手会長に就任した今年は、選手たちの練習ラウンドにピンマイクをつけて生配信したりと「ファンとの距離を縮める」ための施策を行っている。また自身がホストを務めた「ISPS HANDA 欧州・日本、とりあえず今年は日本トーナメント!」では託児所を設けて、家族全員で来ても安心して観戦できるようにした。LIVゴルフに実際に出場することで、自分の代で、よりよい国内男子ツアーにしたいという気持ちが強い。
また、今大会のディフェンディングチャンピオンの木下稜介は、LIVゴルフへの出場について、「出るからにはすごい頑張りたい。世界のトップランカーと一緒に戦って、いろんな技術を吸収して自分のためにレベルアップができると思う。それをすごく楽しみにしています」と話す。昨年大会の優勝をきっかけに、海外の試合にも積極的に参戦している木下は、世界のなかで自分の腕を試す良い機会だと考えている。
日本から出場するもう1人、香妻陣一朗はロンドンでLIVゴルフ開幕戦に出場したあと渡米。東海岸のマサチューセッツ州ボストンにあるザ・カントリークラブで行われる「全米オープン」に出場する予定だ。優勝したら5億円というLIVゴルフに「すごい試合ですよね」と香妻。「(新しい試合とか)関係なしに海外だから出たい。出られる試合には出ようかな」と長距離移動もいとわず貪欲に世界に挑んでいく。
男子ツアーの発展、自分の成長と、3人の思いはそれぞれ。現時点で3人以外に誰が出場の意向を示しているかは定かではないが、新ツアーが始まって選手にとっては、新しい選択肢が増えることになりそうだ。(文・下村耕平)
<ゴルフ情報ALBA.Net>