PGAツアー5勝のベテラン、ケビン・ナ(米国)が、次週に開幕する「LIVゴルフ」に出場。その大会に向け出発する前に、米PGAツアーから“撤退”を決断、ツアーに正式に通達したことをSNSで発表した。
「19年間PGAツアーでプレーをしてきて、すべての瞬間を楽しんで来た。これだけのプレーする機会を与えてくれたPGAツアーに本当に感謝している」と始まるナのコメント。
「しかしながら昨今のプロゴルフ界では違った道ができた。自分がプレーする場所を決める自由を保持したいが、もしPGAツアーの選手を続けていけばそれは難しくなる。私はPGAツアーと法的な権利で争うことはしたくない」とし、LIVゴルフに出場する選手は“資格はく奪をする”などとしたPGAツアーのメンバーを放棄することを決めたという。
さらに「この決断は決して簡単ではなかった」と胸中を綴っている。
38歳のナは現在ネバダ州ラスベガスで子供3人を含む家族とともに暮らしている。
「とても長い時間、考えていた。PGAツアーが大好きだし、素晴らしいことしか思い出せない。ただ感謝しかない。しかし3人の子供がいる。もっと家族と一緒の時間を過ごしたい」というのが最大の理由とした。
ナが19年間でPGAツアーから獲得した賞金は約3800万ドル(約49億円)。昨シーズンは26大会に出場し360万ドル(約4億6000万円)を獲得した。2011年に「ジャスティン・ティンバーレイク・シュライナーズ・ホスピタル」でツアー初優勝し21年1月には「ソニー・オープン・イン・ハワイ」で通算5勝目を挙げた。
PGAツアーメンバーを放棄したことで、同ツアーと共催のツアー競技の出場資格もなくなるが、今後は母国でもある韓国や日本を含むアジアでプレーする可能性を追求したいとした。
グレッグ・ノーマン(オーストラリア)が率いるLIVゴルフは6月9日、英国ロンドン郊外のセンチュリオンGCで開幕。48名が個人戦とチーム戦を戦い、54ホールを予選落ちなしで戦う。開幕戦の賞金総額は2500万ドル(約32億5000万円)で優勝賞金は400万ドル(約5億2000万円)。元世界ランキング1位のダスティン・ジョンソン(米国)やセルヒオ・ガルシア(スペイン)らが出場する同大会。日本からは木下稜介、香妻陣一朗、谷原秀人が参戦する。(文・武川玲子=米国在住)
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