<KPMG全米女子プロゴルフ選手権 事前情報◇22日◇コングレッショナルCC(米メリーランド州)◇6894ヤード・パー72>
今年の海外女子メジャー第3戦「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」が日本時間の今夜開幕する。日本勢は畑岡奈紗、渋野日向子、笹生優花、古江彩佳、西郷真央の最強布陣が集まった。
舞台はワシントンDCにほど近いコングレッショナルCC。2011年の「全米オープン」ではローリー・マキロイ(北アイルランド)が圧勝劇を演じた舞台。著名な政治家も庭としてきた名門コースが、はじめて女子の大会を迎え入れる。
そんな1戦を前に、大会を放送するWOWOWのLPGAゴルフツアーアンバサダーでもあり、メジャー7勝を含む米ツアー41勝を挙げているカリー・ウェブ(オーストラリア)が見どころを語った。
■ロングヒッター有利? とくれば…
総距離が6800やードを超えるコースセッティングが舞台の今大会。ウェブの予想は、「ロングヒッターが有利」。メジャーといえば「パットの精度がカギを握るので、いつもはパットのうまい選手が上位に上がってきます。ただ、今年の会場はレクシー・トンプソンのようなロングヒッターがリーダーボードのトップに上がってくる可能性があります」と、パワーで勝負する選手に注目する。
「レクシーは今シーズンいいプレーをしていますので、パットがうまく決まりさえすれば優勝を狙えると思います」と、苦手のパッティングがどこまで機能するか。そこにたどりつくまでのショットはツアー随一。昨年の「全米女子オープン」では3日目を終えて単独トップに立ったが、最終日に逆転を許した。4日間、グリーン上のパフォーマンスがメジャー制覇の成否を握る。
そして、同郷のミンジー・リーにも期待をかける。「メジャー大会の連勝はかなり難しいと思いますが、可能性はあると思います。自信も高まってきているように感じるので、ネリー・コルダやコ・ジンヨンと世界ランキングのトップを争える存在となっています」。「全米女子オープン」優勝で波に乗り、ここで一気に世界トップを射止めることもありそうだ。
■メジャー大会の戦い方は?
今季のメジャーはこれで3戦目。「シェブロン選手権」ではジェニファー・カプチョ(米国)がツアー初優勝を挙げ、3週前の全米女子オープンはミンジー・リーが圧勝した。では、メジャーを戦う上で、そして好成績を挙げるためには何が必要なのか。
「自分に厳しすぎないことです。フラストレーションが溜まることがあっても、そこにとらわれることなく次に進むことが重要です。また。プレッシャーを楽しむことも大事ですね。それでメンタルの強さを維持することができると思います」
アニカ・ソレンスタム(スウェーデン)と並ぶレジェンドのひと言だけに、響くものがある。そんなウェブがメンタル面で強い選手を挙げる。「いちばんはコ・ジンヨンでしょうか。すくなくともこの1年間は非常に安定したプレーを続けています。そしてミンジーやリディア・コもメンタルは強いと思います」と世界ランキングでもトップを走る選手はメンタル面も強いということは明らかだ。
■日本人選手の可能性は?
今大会には日本勢5人が出場。米ツアーを主戦場とするメンバーについて、ウェブが見解を述べる。「畑岡選手は日本人選手の中でも、今年はとてもいいシーズンを過ごしているのではないでしょうか」。今季は4月の「DIOインプラントLAオープン」で優勝。上位争いにもたびたび顔を出し、安定感はピカイチ。そのなかで悲願のメジャー制覇を目指すことになる。
「古江選手は5月のバンク・オブ・ホープLPGAマッチプレーで2位になるなど、ルーキーとしていいプレーを見せてくれていますね」と、本格参戦1年目ながら予選落ちはただの一度とこちらも安定感が光る。「笹生選手が不調なのはちょっと残念ですが、昨年の全米女子オープンで勝ったことでプレッシャーがあるのかもしれません。調子が戻ってきてくれるといいのですが…」と、最近のプレーには心配もあると話すが、笹生も爆発力を秘めていると同時に飛距離の優位性もあるため、今大会での上位進出も期待できる。
最後に、この2カ月不振にあえでいる渋野だが、4月にはメジャーのシェブロン選手権を含む2度の優勝争いを演じた実績もある。「渋野選手もいいプレーを見せていて、LPGAツアーにうまく馴染んできていると思いますよ」とウェブも渋野の復調には期待を寄せている。
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