<パナソニックオープンレディース 初日◇28日◇浜野ゴルフクラブ(千葉県)◇6656ヤード・パー72>大会初日が28歳のバースデーだった永峰咲希が4バーディ・ボギーなしで回り、今季自己ベストの「68」をマーク。首位と1打差の4アンダー・3位タイと好スタートを切った。
昨季、メルセデス・ランキングによるシードを落とし、今季は2020年「日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯」の優勝で得た3年シードを行使してのツアー出場。ここまで29位が最高となかなか結果が出ていなかったが、誕生日を機に反撃の狼のろしを上げた。スタートのアナウンスで誕生日であることが紹介された永峰は「記憶に残るいい一日になりました。堀姉妹にも感謝です」。同い年の堀琴音、その姉の堀奈津佳と気心知れたメンバーでのラウンドに自然と笑顔があふれた。もちろん、記憶に残る一日になったのはそこに好スコアがついてきたからこそだ。7番パー4で50センチ、8番パー5では1.5メートルとショットをピンに絡めて連続バーディを奪うと、10番パー4では12メートルのロングパットを沈めてバーディ。「久々に10メートル以上のパットが入ったのでうれしかったです」。12番パー5では再びショットが冴え、残り70ヤードから30センチにピタリとつけて、さらにスコアを伸ばした。このところ、ショットの調子は決して悪くなかったが、パッティングが決まらず、成績に結びついていなかった。「パッティングも悪くはないんですけど、ラインとタッチがなかなか合わなくてストレスのたまるゴルフが2〜3試合続いていました」。今週は目澤秀憲コーチのチェックを受け、パッティングのストロークを修正。ハンドファーストにインパクトすることを意識したことで「ボールがよれなくなりました」。この日のパット数は自身のシーズン平均(30.72)を下回る29パットだった。オフに行った目澤コーチらとの合宿ではショット練習やラウンドと同じぐらい、計測器の使い方やコースマネジメントなど、机に向かっての勉強に時間を割いた。3歳下の黄金世代やさらに下の世代はジュニアのころから理論的にゴルフを学んでいるのに対し、永峰は経験や感覚を重視してきた世代。「コースマネジメントは経験によって身につくものだと思っていたけど、今の選手は違う。こういう知識があるから思い切って攻められるんだということが分かりました」。安全と考えられるエリアが増え、これまでとはコースの見え方が変わってきた。「好き勝手出来るからいいんです(笑)」と今季はハウスキャディを起用する試合が増加。今大会でも自らマネジメントを考え、コースを攻略している。「今日は朝早いスタートで風が弱いうちに回れたのも良かった。明日からも風が吹くと思うので、ティショットをもう少し安定させたいです」。オフに学んだ知識をフル活用して、長期シードを得た2020年の国内メジャー制覇以来となる通算3勝目を狙う。(文・田中宏治)
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