<NEC軽井沢72ゴルフトーナメント 初日◇10日◇軽井沢72ゴルフ北コース(6,655ヤード・パー72)>
現在、黄金世代(1998年4月〜99年3月生まれ)では賞金ランキング最上位(10位)につけている小祝さくら。ここ4試合で4位、2位タイ、3位タイ、27位タイと好調をキープしていたが、今大会でも初日から「67」をマークし、5アンダー・5位タイにつけた。
昨年の今大会でも7位タイに入り、相性がいいのかと思いきや、あっさりと本人は否定する。「コースには難しいイメージしかなくて、アンダーパーで回れる気がしないんですけど、回ってみたらアンダーパーが出るので不思議ですよね」と首を傾げるのだ。にもかかわらず、この日も5アンダーで回った理由を小祝のコーチである辻村明志氏に聞いてみた。
「コースとの相性というよりも、ショットでの大きなミスがないからでしょうね。今日だけでなく、ここ最近、彼女が林の中からボールを打っている姿を見たことがありませんから」
確かにこの日もパー3を除いた14ホールでフェアウェイを外したのはわずかに2回だった。さらに、パッティングの精度が上がったことも好スコアの要因だと辻村コーチはいう。
「開幕当時は、平均パット数の順位が70〜80位台でしたが、現在は28位(1.8205)まで上がってきました。距離感とボールの出球をコントロールできるようになったからでしょう」(辻村氏)。実は、辻村氏が幅約5センチ、長さ約1メートルの薄い鉄板をホームセンターで購入し、その上にボールを乗せて打つ練習を課していたのだ。それをスタート前とラウンド後、そしてホテルの部屋でも徹底して行ってきたという。
「しっかりとフェースの芯でヒットしなければ真っすぐ転がらないんですよ。最初の頃はすぐ板の上から落ちたので、相当イライラしていました」と小祝。最近はレールから落ちる回数も減ってきたが、その結果、タッチと出球の方向性が安定し、2.5メートルの距離を沈める確率が増えたという。まさに、“継続は力なり”を地で行く小祝だが、この日もホールアウト後は練習場で板の上でボールを転がしていた。ツアー初優勝をあと一歩のところで逃してきた小祝。しかし、手を伸ばせば届くところまできていることは間違いない。(文・山西英希)
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