<NEC軽井沢72ゴルフトーナメント 2日目◇11日◇軽井沢72ゴルフ北コース(6,655ヤード・パー72)>
2日目にスコアを1つ伸ばし、トータル7アンダー・3位タイにつけた木戸愛だが、初日に続き、6番パー4でイーグル奪取。2日連続同一ホール(パー4に限る)でのイーグルは、LPGAツアー史上初の珍記録だ。
誰よりもセカンドショットを放った木戸自身が驚いていた。
初日と同じ6番パー4(415ヤード)が舞台。ピンまで残り177ヤード地点から放ったボールは、直接グリーンに落ちたあと、ピンに向かってコロがっていき、そのままカップの中へ。セカンド地点からそのシーンを見ることができなかった木戸だが、キャディからその事実を聞かされ、思わずジャンプをして喜びを表現した。
初日はピンまで残り180ヤードの右ラフからのスーパーショットだったが、どちらも使用クラブは5番ユーティリティ(5U)。2日目はスタートの1番パー4でボギーを叩き、スコアを落としていただけに、起死回生のイーグルだったといえるが、幸運の5Uの恩恵はこれだけではなかった。
最終18番パー4では、2打目をグリーン奥に外して難しいアプローチを残す。ピンまで15メートル、手前のカラーまでは3メートルで、ボールのライは逆目。「洋芝ですし、ボールの周りに芝が立っていたこともあり、ウェッジでは難しいかなと…」。そんなとき、木戸の頭に浮かんだのが、ユーティリティアイアンを使ってのアプローチだった。コツンと当てていけば、ある程度はコロがってくれるし、芝に受ける影響も少ないので、ザックリやトップといった心配もない。たまたまオフの間に練習していたことで距離感もつかめる自信があった。コツンと打たれたボールはスルスルとコロがっていき、ピンそば1.2メートルにつけるナイスアプローチ。ボギー締めのピンチを救った。
今季はフィーリングを磨くために、スイング動画を自ら撮影したり、ユーチューブでほかの選手のスイング動画を見て学ぶことが多くなったという木戸。今大会でのイーグルはまさにその効果があったのかもしれない。
「たとえ1打でもアンダーで回れたことは明日につながると思います。トップとは差がありますが(7打差)、ゴルフは何があるか分かりません。ベストを尽くして最後まで頑張りたいと思います」と、明るい笑顔を見せた木戸。
“二度あることは三度ある”ということわざもある。最終日も奇跡を信じて、1番のティグラウンドに立つつもりだ。(文・山西英希)
【木戸愛 PAR4でのイーグル歴】
・2010年 NEC軽井沢72 初日(軽井沢72ゴルフ北C)14番ホール
・2017年 日本女子オープン最終日(我孫子GC)13番ホール
・2018年 NEC軽井沢72 初日(軽井沢72ゴルフ北C)6番ホール
・2018年 NEC軽井沢72 2日目(軽井沢72ゴルフ北C)6番ホール
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