米国男子ツアーがシーズン終盤を迎える中、その裏では翌シーズンの出場権をかけた入れ替え戦(※)が行われている。
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今年は、日本勢からは片岡大育が入れ替え戦に参戦。国内男子ツアーに参戦していた選手では、ベ・サンムンがファイナルズでの賞金ランク上位に入り、出場権獲得圏内につけているほか、イム・ソンジェやイ・キョンフン(いずれも韓国)が、米下部ツアーの賞金ランク上位の資格で、翌シーズンの出場権を獲得している。
同じ国内ツアーで戦っていた選手たちが米ツアーでの生き残りをかけた戦いに挑む中、石川遼が国内復帰してから1年が経とうとしている。昨年の今ごろといえば、石川も翌シーズンの米ツアー出場権をかけて入れ替え戦に臨んでいた。
2013年に米ツアーに本格参戦してから5年目で出場権を逃した石川(※2)は、入れ替え戦から出場権獲得に臨んだ。そのファイナルズ1試合目は50位タイ。2試合目で9位タイに入ってファイナルズでの賞金ランクは16位に浮上したが、3試合目では33位タイと振るわず同22位に後退。最終戦では、最終日に5ストローク延ばしてチャージを見せたが、全体的にスコアが伸びたこともあり40位タイで終了。賞金ランクは出場権獲得圏外の31位となって、翌シーズン出場への道は絶たれた。
米ツアーに復帰するためにはQTを受験し、ウェブドットコムツアーにシーズン通して参戦して賞金ランクで上位を狙うことが“正規ルート”。石川本人は5年、10年単位での長いスパンで米ツアーを目指すことを口にしており、今のところは国内ツアーに本腰を入れていく構えだ。
単純に見れば遠回りの道を選んでいるわけだが、「内容は良くなっている」という石川自身のコメントを振り返れば、米ツアーに参戦するための状態に近づいているのかもしれない。
日本ゴルフツアー機構(JGTO)のコースセッティングアドバイザーを務め、自身も米ツアー挑戦経験のある細川和彦は、先週初優勝を挙げた星野陸也の活躍を見て印象深いコメントを残している。「米ツアーにいくと、海外選手との差を感じて、飛距離やスイングについて悩んでしまって、ダメになる選手も見てきた。星野選手には、まずは日本で自分のゴルフに満足して、確立してから海外にいってもらいたい」。
石川にとっては、今がその“確立する時期”なのかもしれない。国内男子ツアーもシーズン後半にさしかかり、石川がこれまで制覇した大会もやってくる。優勝することはもちろんだが、その先、米ツアーで自信を持って躍動する姿が待ち遠しい。
※1ウェブドットコムツアー・ファイナルズのこと。出場資格は、
■ウェブドットコムツアー レギュラーシーズンの賞金ランキング75位内
■レギュラーツアーのフェデックスカップポイントランキング126-200位
■ツアーメンバー外の選手で、フェデックスカップポイントランク126-200位相当(片岡が該当)
昨年実績でいけば、ウェブドットコムツアーレギュラーシーズンでの賞金ランク25位内の選手と、この25選手を除いたファイナルズでの賞金ランク上位25選手の合計50人に翌シーズンの米国男子ツアーの出場資格が付与される。
※2 レギュラーツアーでフェデックスカップランク125位までの選手に翌シーズンの出場権を付与。126〜150位までの選手には、限定的な出場権が与えられるが、石川は175位で終了した。
<ゴルフ情報ALBA.Net>