<日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯 2日目◇7日◇小杉カントリークラブ(6,605ヤード・パー72)>
初日首位発進の小祝さくらは、2バーディ・1ボギーのラウンド。トータル6アンダーとスコアを伸ばし、首位と5打差の2位タイでムービングデーを迎える。
「今日は全体的にパットが入らない1日でした」とこの日のラウンドを振り返った小祝。初日「28」だったパット数が「32」と落ち込み、その結果苦しい印象を抱えるラウンドとなった。特に今大会の初ボギーを喫した5番はピン6mの位置から3パット。「セカンドショットは狙い通り打てたんですけど、絶対に寄らないラインに付けてしまいました」と悔やんだ。
この5番で喫したボギー。実は小祝にとって小杉CCで83ホールぶりのボギーだった。昨年のプロテストと同じコースで行われる今大会。そこからプロへの第一歩を踏み出した小祝だったが、合格への道は、本人が「気合いでしかなかった」と話すほど厳しい戦いだった。
テスト初日に5オーバー・86位と大きく出遅れた小祝は、2日目の3番でボギーを喫してから合格への執念を見せた。そのボギーの後に2バーディを奪いアンダーパーを記録すると、3日目、最終日はノーボギーの「69」。ギリギリながらトータル2アンダー・19位タイで無事プロ入りを果たした。
その時のことを小祝は「最後のハーフは、恐怖との戦いでした。ボギーは叩けないし、バーディを獲らないと絶対に受からないし。一球一球がすごく怖かった」と振り返る。この話の中で節々に出る「怖かった」という言葉を聞くと、どれほど“トラウマ”となっているかがうかがえる。それだけに、今大会の初日をノーボギーで終えたことに「ビックリしています」と驚きの声をあげていた。小祝にとって、この小杉CCは「難しい」というイメージしか残っていないコースなのだ。
しかし、プロテスト2日目の3番以来となるボギーを、今大会2日目で喫したものの、しっかりと首位を追走する立場にいるのは成長の証し。「(当時は)テストに落ちたら後がないという感じでしたが、今はまだ気楽なんです」と、立場の違いをより実感できる場所でもある。
首位の申ジエ(韓国)は、先週の「ゴルフ5レディス」でプレーオフを戦い、敗れた相手。ジエ一人抜け出す展開に「さすがだなと思いました」と話したが、「残り2日間あるし、チャンスはあると思う。しっかり伸ばさないといけないので、明日は攻めのゴルフをして、良い位置に行けたらいいなと思います」と積極的なラウンドで、その背中を猛追する。
窮地から這い上がって喜びをつかんだこの小杉CCは、小祝の逆襲に最もふさわしい場所といえるかもしれない。(文・間宮輝憲)
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