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【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】女子ツアーVSテレビ局・スポンサー!?騒動の奥にある問題点

申ジエ(韓国)の圧勝で終わった「日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯」。その余韻に浸る暇もなく、女子ツアー周辺にはきな臭さが漂っている。昨年夏から続いている女子ツアーとテレビ局、大会スポンサーとの間の綱引きに対して、非常に中途半端な報道が続いているからだ。
【写真】国内女子メジャー第2戦の模様を写真でおさらい
中途半端、というのは、
(1)日本女子プロゴルフ協会(LPGA)が大会の放映権を自分たちで持つこと
(2)万事に関してLPGAが説明不足であること。
この2つが混同されているからだ。この2つは分けて考えなくてはならない。
(1)に関して言えば、ツアーを取り仕切るLPGAが放映権を持つことは不思議でもなんでもない。むしろ、そうするべきだし、放映権以前に主催権を持つのが当たり前のことだ(現状ではLPGA主催の試合は3つしかない)。ただし、主催者になるということは、当然、リスクも伴うし責任は増える。経費もかかる。これまでのように何もかも広告代理店、運営会社、テレビ局に丸投げ(アウトソーシング)するのなら、そこには経費が発生する。そうでないなら、主催者として企画から営業、運営,交渉などをする必要がある。これを覚悟し、準備したうえで主催権を持ち、放映権も持つのは自然な流れだ。反対する理由はどこにもない。
ただ、内部も含めて、このことを浸透させるために必要な情報公開が、まったくできていない(2)ことが大きな問題となっている。
長い目で見たロードマップを作り、自分たちの向う方向を示す。こうしなければ内部の人間(LPGA会員=女子プロゴルファー)もついて来ないし、周囲の協力も得られない。ところが、LPGAにはこの視点が全く欠けている。
会員からの問い合わせにも、我々メディアからの質問に対しても、きちんとした答えが返ってくることは少ない。特に放映権に関しての質問は「各主催者様と交渉中なのでお答えできません」の一点張り。個別の事案ではなく、全体の方向性の話をしない理由が全く理解できない。
(1)について、LPGAが一方的に袋だたきに遭っているように見えるのはなぜか。実はここに大きな問題が存在する。日本には、大手新聞社系のメディアグループがいくつも存在し、大きな力を持っている。そこには、一般紙、民放キー局、スポーツ紙などがあり、スポーツイベントなどの主催、後援などを続けている。そこで“自社もの”を宣伝することはあっても批判することなどほとんどない。言い換えれば、報道とはおよそかけ離れたことを読者、視聴者に伝えていることが多々あるということ。自社グループのプロ野球の球団を応援するかのような報道は、今に始まったことではない。
日本のゴルフツアーは、大きくなる過程でスポンサーをテレビ局、新聞社などに依頼し、一緒に宣伝してもらってきた経緯がある。この仕組みが、何十年ものあいだ続いてきた。簡単に言えば、ツアーはメディアに依存し、メディアとスポンサーはおいしいところを持っていく。LPGAツアーと言いながら、自ら主催している試合が3試合(うち1つは日本テレビと共催)しかないのはそのためだ。
男子ツアーでは、1999年にクーデターを起こし、現・日本ゴルフツアー機構(JGTO)が日本プロゴルフ協会(PGA)から独立したが、この時の大義名分も「ツアーが主催権を持ち、日程をコントロールする」というもの。もちろん、放映権料を取ることも視野に入っていた。正論を掲げたのだが、結果的に失敗に終わった。
一方、女子ツアーは、旧態依然とした仕組みの中で、今日の隆盛を築いてきた。だから、スポンサーやテレビ局側には、寝耳に水の「女子ツアーの反乱」という風に映るのだろう。だが、繰り返すが主催権、放映権を自分たちで持ちたい、という女子ツアーの要求そのものは、決しておかしなものではない。ただ、プロセスがうまくないだけだ。
しかし、女子ツアー側にも、テレビ局、スポンサー側にも決定的に置き去りにしてしまっていることがある。プロスポーツを語るうえで一番大切な、ファンファースト、という視点だ。ファンにとって大切なのは、面白い試合がたくさん行われ、それを見る機会ができるだけ多いこと。これに尽きる。
LPGAに限らず、日本のゴルフツアーはファンに実際に足を運んで試合を見てもらう努力、つまり興行として試合を成功させる努力を怠ってきた。その代わりに、テレビ局も含めたスポンサーから、賞金や経費を出してもらってきた。だが、これでは先は見えている。ファンがいるからスポンサーがつくのが当たり前だからだ。
そのファンを第一に考えるのは当たり前だ。ところが、これをLPGAもテレビ局、スポンサーも二の次にしてきた。一番わかりやすい例が、テレビ局の編成の都合で、試合をライブで放送しないばかりか、そのシワ寄せでネット速報をストップするという暴挙だろう。昔のテレビ至上主義の弊害と言っていい。ファンにとっては、主催権がどこにあろうと、ライブで試合が見られることのほうが大切だ。
LPGAが放映権を持っていないために、海外でツアーがほとんど見られないという事態も起こしている。韓国人選手が活躍する日本ツアーだが、ツアーが放映権を持っていないため、韓国で放送しようとすると一つ一つの試合と交渉しなければならないことになる。面倒なことこの上ないため、ほぼ、実現しない。太平洋を挟んだ米ツアーのほうが、韓国で身近なのはそのためだ。
ネット中継という新しい分野に関しても、最初はスコア速報同様にストップがかかったが、関係各所の努力により、ずいぶん、なじみが増えてきた。今年の「サイバーエージェントレディス」では、史上初めてネット生中継の後に、録画での地上波放送が行われ、それでも視聴率が落ちないことが証明されたばかりだ。
ネットさえつながればどこででも見られ、ライブが基本のネット中継は、これを操るファン層には評判がいい。「ディレイ(録画)でテレビがなければ見られない地上波なんかいらない」という声も多く聞く。その一方で、ファン層が比較的高いゴルフでは「テレビでなければ見られない」という人も少なくない。「将来はネット中継も考えているし、地上波も大切だと思っています」と、今年の日程発表の時にコメントした小林浩美会長のスタンスは間違っていない。だったら、両方をうまくやっていく方法をファン目線で考えればいい。それを最優先するべきだ。
そのためには、LPGAはまず、将来のビジョンをはっきりと示すことが大切だ。一方的な宣告ではなく、主催権、放映権を自分たちが手にする必要があることをはっきりと示す。現状で自分たちがすること、アウトソーシングすることを金の流れなども含めたビジョンを公にすることが第一ステップだ。これまでは、関係者どころかLPGA会員(=社員)ですら、その全貌と方向性はつかめていない。
その上で、ファンを増やすためにできることを会員、関係各所に協力を求める。もちろん、ビジネスとして成り立たせなければ、相手を納得させられないのは言うまでもない。
改革に痛みはつきものだし、邪魔が入ることも少なくない。しかし、ビジョンさえしっかりしていれば、乗り越えることはできるはず。LPGAは一般社団法人だが、「(前略)女子プロゴルフ界の健全な発展を図り、もって国民の心身の向上及び国際親善に寄与することを目的とする」とうたっている。健全な発展のためには、ツアーの主催権、放映権を自らもつことは必要だ。ただ、ビジネスとしての手法をまちがったり、無意味に隠したりすることは、マイナスにしか働かない。(文・小川淳子)
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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