<日本女子オープンゴルフ選手権 事前情報◇26日◇千葉カントリークラブ野田コース(6,677ヤード・パー72)>
いよいよ今週は国内女子公式戦3試合目「日本女子オープンゴルフ選手権」。ナショナルオープンでもデータ好き記者Aと、ドラマティックな展開大好き記者Mが今週も結末を大予想。
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■まさに“伝統の一戦”歴代覇者もビッグネームがずらり
1968年度にうぶごえを上げた今大会は今年で51回目。当初は東京放送(TBS)主催、日本ゴルフ協会(JGA)協賛で開催されていたが、71年から現在のJGA主催のかたちに。それに伴い、3年間行われてきたTBS越谷ゴルフクラブから、現在のサーキットトーナメント(毎年開催コースが変わる)形式となった。また、開催当初は54ホールストロークプレーだったが、82年から現在の72ホールへと変わっている。
ナショナルオープンだけあって歴代覇者もビッグネームがずらり。その中で最多の勝利を挙げているのが樋口久子。第1回大会を制したのを皮切りに8度も栄冠を手にしている。また、第1回から第4回まで4連覇を飾っており、16、17年と連覇をしている畑岡奈紗は今年、史上2人目の3連覇に挑むこととなる。
その他にも、岡本綾子、大迫たつ子、森口祐子、不動裕理といった永久シードプレーヤーから宮里藍、フォン・シャンシャン(中国)といった世界ランキング1位経験者まで多士済々だ。
今年もその名に恥じない選手が多数参戦。レギュラーツアーメンバーのほかに連覇中の畑岡、歴代覇者のチョン・インジ(韓国)をはじめ、元世界ランキング1位のユ・ソヨン(韓国)、17年の「全英リコー女子オープン」覇者キム・インキョン(韓国)、14年の「エビアン選手権」覇者で日本女子ツアーの18ホール最少ストローク記録を持つキム・ヒョージュ(韓国)といった選手が顔をそろえる。
■飛距離がカギとなる可能性大、今季絶好調のショットメーカーが悲願のメジャータイトルへ(記者A)
データを見る前に、まず今年のコースを確認しておきたい。舞台となるのは千葉カントリークラブ野田コース。昨年までステップ・アップ・ツアーの「パナソニックオープンレディース」が行われていたコースで、ほぼフラットな林間コース。セッティングにもよるが、総じてフェアウェイが広くOBは少ない。昨年のパナソニックオープン優勝者が飛ばし屋の野澤真央であることからも、飛距離の出る選手が有利となりそうだ。ただし、砲台グリーンも多く、グリーン周りからの対応も簡単ではないため、ショットの正確性、ショートゲームの巧さも兼ね備えていなければタイトルには手が届かないとみていい。
過去10年の優勝スコアを見ると11年のトータル12オーバーという数字が目を引くが、おおむねイーブンパーから5アンダーの間で収まることが多い。過去10年で優勝スコアが2桁に達したのはわずかに3回。ただし、昨年の優勝スコアはトータル20アンダー。この数字は畑岡が驚異的だったとしても4位の鈴木愛まで4人が2桁アンダー。全米オープン(今年は除く)同様に、サディスティックなまでの難セッティングからスコアが出るセッティングへと変化しているといえる。今年も同様の可能性が高い。
この2点を踏まえると、飛ばし屋のアドバンテージが大きそうだ。優勝者を見てもここ4年連続でテレサ・ルー(台湾)、インジ、畑岡と、遠くに運べる選手が優勝カップを手にしていることからもパワーヒッターを優勝候補に挙げたい。
となるとテレサ、インジ、畑岡の3人が今年も期待されるが、注目したいのは比嘉真美子。現在ドライビングディスタンス3位でドライバーの総合力を示すトータルドライビング(ドライビングディスタンス順位とフェアウェイキープ率順位を合算したランキング)は2位。さらにパーオン率は堂々の1位とアイアンの切れ味も抜群。パーセーブ率3位、リカバリー率4位とディフェンス面も万全。4日目の平均ストロークの順位がそれまでの3日間に比べてガクッと落ちるのが気になるが、逆に言えばそこさえ克服できれば他にスキはなく、悲願のメジャータイトルは目の前だ。
■畑岡奈紗のV3を止められるのは…、日の丸を背負う“後輩”で決まり!(記者M)
プロアマ問わず広く門戸を開く大会で、最もドラマティックな優勝は?と聞かれたら、きっと記者Mに限らず、多くの人が“アマチュア優勝”と答えるのではないだろうか。それなら今回は、そんな気持ちに素直になって、優勝予想とさせていただきたい。
そのなかでも安田祐香、古江彩佳(ともに滝川第二高3年)、吉田優利(麗澤高3年)、西村優菜(大商大高3年)、佐渡山理莉(名護高3年)、小倉彩愛(岡山操山高3年)のナショナルチーム6人衆には、やはり期待せずにはいられない。チームジャパンの先輩で、16年のアマチュア時代の優勝から連覇まで達成した畑岡のV3を止める選手が、この6人のなかから現れたら…、それはもう劇的な大会となるだろう。
安田は今季5試合出場したレギュラーツアーのうち3試合でトップ10入り。常に上位をにぎわす存在だ。日本女子アマ、日本ジュニアに続く日本女子オープンローアマのアマ3冠がかかる吉田、日本女子アマチュアランキング1位の西村とチームを組んで臨んだ世界女子アマでは日本史上最高位となる団体2位にも輝いている。また佐渡山、古江、小倉は8月のアジア大会(インドネシア)で団体5位入賞と、みな経験も申し分なし!今年7月の「センチュリー21レディス」を制した米国のアマ、クリスティン・ギルマンに続くツアー史上7人目のアマ女王が誕生することに期待だ!
【歴代優勝者】
2017年度:畑岡奈紗
2016年度:畑岡奈紗
2015年度:チョン・インジ
2014年度:テレサ・ルー
2013年度:宮里美香
2012年度:フォン・シャンシャン
2011年度:馬場ゆかり
2010年度:宮里美香
2009年度:宋ボベ
2008年度:李知姫
2007年度:諸見里しのぶ
2006年度:ジャン・ジョン
2005年度:宮里藍
2004年度:不動裕理
2003年度:服部道子
2002年度:高又順
2001年度:島袋美幸
2000年度:肥後かおり
1999年度:村井真由美
1998年度:野呂奈津子
1997年度:岡本綾子
1996年度:高村亜紀
1995年度:塩谷育代
1994年度:服部道子
1993年度:岡本綾子
1992年度:日蔭温子
1991年度:ト阿玉
1990年度:森口祐子
1989年度:小林浩美
1988年度:谷福美
1987年度:吉川なよ子
1986年度:ト阿玉
1985年度:森口祐子
1984年度:大迫たつ子
1983年度:ト阿玉
1982年度:日蔭温子
1981年度:大迫たつ子
1980年度:樋口久子
1979年度:吉川なよ子
1978年度:清元登子
1977年度:樋口久子
1976年度:樋口久子
1975年度:二瓶綾子
1974年度:樋口久子
1973年度:小林法子
1972年度:佐々木マサ子
1971年度:樋口久子
1970年度:樋口久子
1969年度:樋口久子
1968年度:樋口久子
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