<日本女子オープンゴルフ選手権 事前情報◇26日◇千葉カントリークラブ野田コース(6,677ヤード・パー72)>
開幕前に“ワールドクラス”を体感!ツアーフル参戦初年度ながら現在賞金ランキング27位と活躍を続ける松田鈴英はこの日、米国女子ツアー6勝を誇る元世界ランキング1位のユ・ソヨン(韓国)とツーサムで練習ラウンドを行った。「頑張らないと世界の壁は高い」という思いを痛感した20歳が、この経験もモチベーションにメジャー大会に挑む。
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ソヨンとの“マンツーマン”での練習ラウンドを終えた松田。興奮冷めやらぬといった様子で、その凄さを口にした。「ウッドをアイアン感覚で打っているし、音もよかったです。スイングのときの軸がしっかりしていたし…、もう全部がすごい、うまいです!アプローチを見ていても、色々なバリエーションを持っていてすごいなと思った」。出てくる言葉は、いずれも驚嘆の声だった。
特に松田がすごいと感じたのが「足の筋肉」だという。「あれくらいトレーニングをしないといけないんだなと痛感しました。ゴルフの練習だけじゃなく、すべてに手を抜いていない」と2011年「全米女子オープン」など海外メジャー2勝を誇るソヨンから、多くのことを学ぶ一日となった。歯がゆさを感じたのが言葉の壁だったようで、「言葉が出てこないのでうまく話しを聞けませんでした。英語とか韓国語とか勉強をして、外国の選手ともっと話したいなと思いました」ともっと吸収したいことはあった様子。それでも、「トレーニングのやり方とかを頑張って聞きました!『トレーニングなんちゃら〜』って言ったら分かってくれました(笑)」と“鈴英流イングリッシュ”でコミュニケーションを図ることもできた。
そんなソヨンは松田の印象について、「線が細いのにもかかわらず、力強いスイングがとても印象的。言葉が通じなかったけど、もっと話したかったです。とてもいい子でした」と笑顔。それを聞くと「お世辞でもそう言ってもらえてうれしい」と、驚きの表情から一転、その顔に笑みがあふれかえった。
本当はこのラウンドには、「常に安定しているし、ここぞという時に強さを発揮する」という理由から、憧れの選手の一人に挙げるチョン・インジ(韓国)も入るはずだった。前日に行われたプロアマが、雨で打ち切りになったことで、まだプレーをしていないホールを練習したいという意向がインジから出されたため、3人でのラウンドこそ実現しなかったが、それでも世界を痛感する貴重な時間となった。
今週の月曜日には、同じアンパスィとウェア契約を結ぶ縁でインジとの対談を行った松田。緊張でガチガチになりながらも、ガールズトークに花を咲かせ、次にインジが来日を予定する「TOTOジャパンクラシック」(11月2日開幕)で一緒にプレーすることを誓い合った。日本で開催される米国女子ツアーは、「富士通レディース」終了時の賞金ランキング35位までなどの出場規程が設けられるが、松田にとっては「自分がそこ(TOTO)に行けるように頑張りたいです」と、絶対に出場したい大会となった。
「まだ試合は始まっていないけど、今週は楽しすぎてやばいです!私が頑張れば、また一緒の組になれるので、そのために頑張りたいなと思います」と声を弾ませる松田。本戦でのソヨンとの“再会”や、実現しなかったインジとのラウンドに向けモチベーションはグングン上昇中だ。(文・間宮輝憲)
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