<トップ杯東海クラシック 3日目◇29日◇三好カントリー倶楽部 西コース(7,330ヤード・パー72)>
2009年の「全米プロゴルフ選手権」でタイガー・ウッズ(米国)を抑えてアジア人初の海外メジャー制覇を達成、今年の4月の「中日クラウンズ」で12年ぶりに日本ツアーを制したY・E・ヤン(韓国)がまたしても歴史に名を刻んだ。「トップ杯東海クラシック」3日目に9バーディ・ノーボギーの「63」。トーナメントコースレコードタイをマークした。
台風24号接近に伴う雨の中のラウンド。メジャー覇者が気をつけたのは一点だけ。「ゆっくり、ゆっくり振る」ということ。
「朝から天気が悪かったので、朝の練習ではスイングリズムだけ意識しました。ゆっくりゆっくり振ることを意識しました。雨のときは飛距離が出なくなるけど、その分飛ばそうと力が入ってタイミングがズレやすい。そうなればショットは右にも左にもいく。そうならないように気をつけました」
雨の日のプレーでは基本中の基本。だが、全米プロを勝ったほどの選手でもそれが難しいという。我々アマチュアはそれでなくても飛ばそうと力むもの。雨のラウンドではこれからは1番手上げて力を抜いていきたい。
もう一つ、46歳のヤンはこんな部分にも気をつけていた。この日は台風接近に伴い本来よりもスタートが1時間早まった。起床予定は4時半。そこで前日からこんな対策を。
「昨日はホテルの近くでカニを軽く食べただけで寝ました。もう歳ですから、コンディションを考えたら翌日のスタートが早いときには、肉類は避けて刺身やお寿司といった軽いモノにしています。若いときは関係なかったんですけどね(笑)。お酒も今はビール一杯です」。こちらも当たり前のことだが、いくら技術が高くてもコンディションが良くなければスコアは出せない。“アラフィフ”となっても第一線で戦えているのは、こういった部分をおろそかにしないからだろう。
そのタイガーが先週の「ツアー選手権」で5年ぶりに優勝したことに「アメリカも欧州もアジアも最近ちょっとゴルフの人気が落ちていたと思う。タイガーが勝ったことで人気が戻ってプレーするアマチュアが増えたり、ギャラリーが増えたらいいね。もちろんコングラッチュレーションと言いたい」と祝福の言葉を贈った好敵手。「明日も今日と同じようにゆっくりゆっくりタイミングだけを考えてやりたいね」と不敵に笑った。(文・秋田義和)
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