<トップ杯東海クラシック 最終日◇30日◇三好カントリー倶楽部 西コース(7,330ヤード・パー72)>
ジャンボ尾崎こと尾崎将司が2013年以来、5年ぶりに「トップ杯東海クラシック」に出場した。結果は初日が1バーディ・4ボギー・3ダブルボギーの「81」、2日目が1バーディ・7ボギー・1ダブルボギー「80」でトータル17オーバー。出場プロの中で最下位となる105位で予選落ちを喫した。
約4カ月ぶりの実戦だった。4月の「中日クラウンズ」(棄権)を今季初戦として、5月の「日本プロゴルフ選手権大会」(棄権)、6月の「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」(122位で予選落ち)とメジャー2試合に出場した。
だが、日本ゴルフツアー選手権終了後、「まだまだ実戦も練習量も少ない。俺の開幕戦は輪厚(ANAオープン会場)だから。それまでに体調を整える」と話し、もう一度間隔を開けて調整を行った。その「ANAオープン」が北海道胆振東部地震の影響で中止となったため、今大会が“開幕戦”となったが、「久しぶりの三好だが、こんなに長いと思わなかった。そして、こんなに疲れるとは思わなかった」と、苦い結果に終わった。
この結果に、予選ラウンド終了後「自分に感動が感じられないということは、人にも感動を与えられないということ。プロゴルファーとして失格だよ」とぽつり。その直後に「スコアは失格してないよな?(笑)」と冗談交じりに話して場を和ませたが、例年通りなら次戦となる「ブリヂストンオープン」への出場について聞かれても口を閉ざすなど、重い空気を残して会場を後にした。
それでも筆者は、少しずつだが状態は上がっているように感じた。雨が降り気温19度と上がらなかった初日に、打ち下ろしとはいえ3番ホールで280ヤード近いドライバーショットを見せる場面もあり、ティショットの前に見せた何度も腰を切る動作は、本当に体の状態が悪ければそれすらできないもの。そして快晴となった2日目には、7番で60cmのパットを外して流れを悪くし3連続ボギーをたたいたものの、それまでは約12mのバーディパットを決めるなどパープレー。序盤だけならエージシュートを予感させるプレーだったし、イスに座る場面も減るなど体調面でも良さを感じた。
そんな筆者の気持ちを代弁するかのように「予選突破できる」と話したのが、同伴競技者として、2日間をともにしたハン・リー(米国)である。
「今のショットを見ると確かに飛距離はありませんが、ショートゲームがとてもうまい。チップインもあったし。パターも余裕があるし、いいフィーリングが出ている。全部1パットだよ(笑)」。
リーは予選突破以上のところも見えるという。「予選突破どころかエージシュートできると思うよ。2日目も長いのを入れていたし、スタートは良かったしね」。3度目となる偉業達成も予感させた。
「本当にジャンボさんはかっこいいね。プレーにオーラがある。同組になったら緊張しますがとてもうれしい。すごく頑張っているし、いつも一緒にプレーするときは勉強になります。私が11年に日本に来たときから、ジャンボさんは私にとても親切にしてくれます。ラウンドの後には私にレッスンしてくれることもあります。とてもありがたい。頑張って欲しいです」
ファンだけでなく、ライバルである同伴競技者からも愛される72歳のプレー。ショットの状態がもう少し上がり、試合勘が戻り3パットなどの細かいミスがなくなれば、初めてエージシュートを達成した13年の「つるやオープン」以来となる、決勝ラウンドが見えてくる。そんな予感をさせる4カ月ぶりの実戦だった。もっとも、こんなことをいうと「俺はそんなところを目指してない!」とおしかりを受けそうだが…。(文・秋田義和)
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