<アジア・パシフィックアマチュア選手権 3日目◇6日◇セントーサGC ニュータンジョンコース(6847ヤード・パー70)>
予選2日間でたまったフラストレーションを、一気に発散するような1日だった。2年連続出場の金谷拓実(東北福祉大2年)は、初日と2日目に思うようにスコアを伸ばせず、トータル2アンダー・15位タイで決勝ラウンドに進出したが、この日は6バーディ・ノーボギーの「64」と爆発。スコアボードを駆け上がり、首位と2打差で優勝争いに名乗りを上げた。
【写真】コースには滝もあります
ここまでの2日間と大きく変わったのは精神面。「昨日とおとといは感情が出過ぎていた。自分をコントロールして、ネガティブな感情を出さないようにしました」。今週応援にかけつけた、東北福祉大の阿部靖彦監督の存在も緩和剤となった。2日目の夜には一緒に食事にでかけ、「すごく発破をかけられて。(今日も)後半ついて歩かれていたので、ちゃんとせなあかんと思った」と、恩師の存在で一気に気が引き締まった。
2010、11年と本大会を連覇した大学の先輩・松山英樹からも一足先に激励を受けていた。「先月ツアーが終わって帰ってきたときに、『大学2年でアジアアマ、ツアー優勝して、やっとオレに並ぶ』と言われました」。大会2勝目を挙げた11年、当時の松山は金谷と同じ大学2年。この年に本大会で優勝した後、「三井住友VISA太平洋マスターズ」で優勝している。
今週を終えれば、次週は国内男子ツアーの公式戦「日本オープン」に出場と、松山に並ぶチャンスは用意されている。「あまり周りは見ずに、自分のベストを尽くせば結果も見えてくると思います」。先輩と恩師からの激励を胸に、ラスト1日を駆け抜ける。(文・谷口愛純)
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