初勝利よりも感極まっていた。「スタンレーレディス」最終日、トータル10アンダーまで伸ばしたささきしょうこが新垣比菜を振り切り、待望のツアー2勝目。ウイニングパットを決めて歓声に応えた後、涙を拭った。『自律神経失調症』と『パニック症候群』を抱えながら、人知れず内なる闘いを続けた末にたどり着いた勝利だった。
優勝インタビューで涙を流すささきしょうこ
クラブに対する感性が非常に鋭い。クラブ契約フリーで、昨季からウッドはカスタムパーツの『クレイジー』を選んできた。ささきのコーチ、ジョージ武井氏もカスタムパーツ『GTD』を手がけるクラブデザイナーでもあるが、「しょうこはすごくクラブに繊細だし、本人が納得して使えるものが一番。無理に私が自分のクラブを使わせたりしませんよ、スイングが良いので3勝してもおかしくないと見ていました」と、語る。
ユーティリティは「クレイジー」。同モデルの表示ロフト24度を2本入れるが、シャフトと長さが異なる。そしてヘッドの個体差によるロフト角(5番の方が寝ている)、重さ(5番の方が軽い)によって「10ヤードの違いを打ち分けます」とのこと。
また、直近でドライバーをクレイジーからプロギア『RS』に変更しており、シャフトもフジクラ製に変更していた。提供したフジクラのツアー担当はこう語る。
「女子プロゴルフ選手権の時に“ドライバーが飛ばなくなった”と相談があり『エボV』を薦めました。1年前くらいにフジクラから他社シャフトに替えており、私もささきプロに『エボV』を試してもらいたかったので、まさに良い機会でした。ささきプロはわずかな重さや、しなりも非常に敏感に感じ取るため、スイングを確認して変化にこまめに対応していくことが重要です。スムーズに振り抜いていけるフィーリングと、これまでよりも飛んで曲がらなくなった点を気に入ってくれています」(フジクラ・ツアー担当)
最後に、同じモデルでもサンドウェッジだけ色が違うのは、クラブに敏感なささきらしさが表れている。「クラブの色だけでも、結果が変わる」と言うのだ。
「56度のサンドウェッジだけ色が違う理由ですか? このクラブだけ、アプローチの時にフェースを開いたりすることが多いのですが、他のと一緒に黒い色に替えたときにボールとヘッドの距離感が分からなくなったので、56度だけ以前使用していた色のシルバーに戻しました」とのこと。黒いサンドウェッジで結果の出ていない人は、ささきを見習うのも一つの手かもしれない。
【ささきしょうこの優勝セッティング(WITB=Whats in the Bag)】
1W:PRGR RS ドライバー(9.5°スピーダーEVOLUTION V 661 / S / 45.5インチ)
3W:PRGR RS フェアウェイウッド(15°)
5W:クレイジー CRZ-F5(18°)
4U:クレイジー CRZ-U24(24°)
5U:クレイジー CRZ-U24(24°)
6I〜PW:スリクソン Z565
A,SW:クリーブランド RTX-3(48,52,56°※48、52はブラックサテン、56はシルバー)
PT:オデッセイ オー・ワークス ブラック 3T
BALL:スリクソン Z-STAR
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