<ブリヂストンオープン 2日目◇19日◇袖ヶ浦カンツリークラブ 袖ヶ浦コース(7119ヤード・パー71)>
晴れやかな笑顔で、最終ホールのグリーンを下りてきた。昨年の「カシオワールドオープン」以来、およそ11カ月ぶりのツアー予選通過を果たした薗田峻輔。スコアカード提出を終え、第一声は「長かった…」。
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ツアー通算2勝。2010年、20歳のときに初優勝を挙げ、13年に2勝目。それ以降は徐々にスランプに陥り、昨年の後半戦から様子が変わっていく。シード争いの末に賞金ランキングは67位。デビュー後最低の数字に終わった。年が明け、今季は最初から週末にすら進めない状況。ついに10月まで、獲得賞金ゼロ。予選落ちを繰り返した。
不振のキッカケはティショットだった。「グリーンに近づけば近づくほどいいのだけど、ティショットでいいところにいる機会が少ない」と、ドライバーに問題を抱えた。「結果的にフェアウェイにいったとしても、メンタルの面でしっくりこない。たまたまいっただけでしかなかった」と、長いスランプの苦悩を打ち明けた。
20歳で優勝を遂げているが、「実はその前から、途中式は合っていなかった。答えは合っていたとしても、式が合っていなかったんです」と、不安を抱えたままツアー転戦を何年も繰り返してきた。そんな状態からドライバーの調子を崩し、成績も下降線をたどった。
決勝ラウンドに進めず精神的につらい中でも薗田は試合に出続け、大たたきをしても自分と向き合ってきた。「コースに対して逃げたりせず、真っ向からぶつかって…。だいぶ苦しんだ」と振り返るが、「今は何も感じなくなった。嫌なホールは普通にあるけど、ネガティブな要素はない」と言い切るまでに回復した。
「まずは初日にいいスコアが出ていなかったので、60台で回れるように。それが先週は2日目に出た。そして昨日、初日に60台が出た!」
初日2アンダー、2日目イーブンパーでトータル2アンダーの35位タイ。久しぶりに土曜日のラウンドに進むが、「のびのびとやりたい。今の自分に出せるゴルフをコースにぶつけるだけ」と、楽しみな決勝ラウンドを迎えることになる。
「周りからは『大丈夫?』って言われることもあったけど、ゴルフ場の外で引きずってもしょうがないし、暗いそぶりは見せていなかった」と、逆に周囲を気遣い、明るく振る舞ってきた。首位とは7打差からの週末プレー。プレッシャー、期待、すべての感情から解き放たれた薗田。「これでおしまいじゃない。1つのキッカケになってくれれば」と、こうなったら週末はビッグスコアを狙っていく!(文・高桑均)
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