<TOTOジャパンクラシック 2日目◇3日◇瀬田ゴルフコース 北コース・滋賀県(6,659ヤード・パー72)>
トータル8アンダー・5位タイと大会3勝目に向けて好位置につけている上田桃子。第2ラウンドで7バーディを奪うなど「67」をたたき出して上位に浮上したが、その2日目の朝、そしてホールアウト後には一風変わった練習を行っていた。
【関連動画】上田桃子のヤーデージブックを使った練習を撮影!
それはペットボトルに、アドレス時のシャフトと平行に立てかけたヤーデージブックをボールと足もとの間に置いてショット練習を行うというもの。下手をすれば一冊約3000円するヤーデージブックがダメになる可能性があるこの練習、どんな意味があるのだろうか。コーチを務める辻村明志氏に聞いてみた。
「上田さんはシーズンの中盤くらいから左への曲がりが大きくなっていました。それはなぜかというと、ダウンスイングでクラブのヘッドがインサイドから下りることによって、下から入りすぎていたからです。ドローヒッターだからという部分もあるのですが、それでも入りすぎていました。そこでマスターズGCレディースあたりからこの練習を取り入れました」(辻村)
悪癖が出てインサイドから入りすぎれば、立てかけているヤーデージブックに当たってしまう。ヤーデージブックを避けて、オンプレーンでクラブを下ろしてくるようにすることが狙いだ。狙い通り下りてくれば理想のボールコンタクトが可能となり、ボールに横ではなく縦の回転が生まれて左への曲がりもほどよい幅に収まるというわけだ。
とは言っても、コースに行けばそこばかりを気にしてはいけないというのが上田の弁。「今朝は練習から引っかけてばかりでした。コースに行っても、最初の5ホールは左に行きっぱなしだった。でも流れが良くなって、集中力が技術に向かなくなったんです。スイング的なことよりも、どういう球を打ちたいというイメージを生んで、それに対してのショットになる。そうなると体が止まらなくなってしっかりと振れるようになった」。
辻村氏も「練習はあくまでもスイング動作の中の、自分の嫌な動作を取り除いて気持ちよく振るためのもの」というように、コースではイメージを持ってしっかり振る。その中で、練習で取り組んでいるものが徐々に身になって、スコアにつながっているのだ。
左に曲がりすぎる、とお悩みのドローヒッターのゴルファーは試してみてはいかがだろうか。もちろん、コースでは気持ちよく振りきることを忘れずに。(文・秋田義和)
<ゴルフ情報ALBA.Net>