賞金ランク上位者、今季優勝者、先週大会の上位選手などなど…試合を取材するに当たり、開幕前に注目選手をチェックする。その大会の歴代優勝者の動向ももちろん気になるが、そこでふと気づいた。昨年、本大会で優勝したチャン・キム(米国)はどこにいった…!?
昨年、最終日に首位との3打差を巻き返して逆転勝利を果たしたキム。ツアー屈指の飛ばし屋で、ドライビングディスタンスは2016、17年連続でぶっちぎりの1位。韓国生まれのハワイ育ちで、アメリカやアジアでプレーした後、14年に日本のQT(ツアー出場権をかけた予選会)で1位になったことをきっかけに主戦場を日本に移した。昨年は本大会を含む3試合で優勝し、宮里優作、小平智と白熱の賞金王争いのすえに3位となった。
ところが、今季に入って一度もその姿を見ていない。プライベートでも仲のいいスンス・ハン(米国)に聞いてみると、「韓国にいるとは聞いているけど…ケガの治療をしているみたい」。たまに連絡を取っているようだが、詳しいことはわからないとのこと。「見た目も怖いし(笑)、体が大きくて目立つ選手なので、いないとちょっとさみしいですよね」(ハン)。昨年大活躍を見せただけに、やっぱり行方が気になる!
ということで、キムのマネジメントを務める株式会社ウィニングショットに問い合わせてみることに。一体、今どこで何をしているのだろうか…。「現在、チャンは韓国にて腰痛の治療に専念しております。少しずつではありますが、回復に向かっております」。昨年の「三井住友VISA太平洋マスターズ」と「ゴルフ日本シリーズJTカップ」を腰痛のため棄権。今季はほとんど練習が出来ていないこと、昨年の3勝で複数年シードを獲得しているため、無理をして出場することは控えているという。
今季は3月の世界選手権シリーズ「WGC-メキシコ選手権」に、昨年の国内ツアー賞金ランク上位の資格で出場予定となっていたが、初日の朝に手首を痛め、そのまま欠場。以後、試合には一切出ていないそうだ。
「来季からは万全の状態で復帰をする予定です」。今シーズンは、一度も姿を見られないまま終わるのか…と肩を落としたそのとき、思わぬ続報が届いた。
「さきほど連絡があり、フェニックスかカシオには出る予定と連絡がありました」。なんと!18年シーズンも残り4試合となった今、11月15日からの「ダンロップフェニックストーナメント」か、翌週の「カシオワールドオープン」に出場するかもしれないと、本人から連絡があったという。
ダンロップフェニックストーナメントのエントリー締め切りは、5日(月)の午後5時だったが、日本ゴルフツアー機構に確認してみたところ、エントリーはなし。ということは、最終戦直前のカシオワールドオープンで登場か…!?“主役は遅れてやってくる”という言葉もあるが、シーズン終盤で颯爽と登場し、話題をかっさらっていく…そんな展開も期待できるかもしれない。(文・谷口愛純)
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