今季を通してショットの不調に悩まされてきた石川遼。一方で平均パット数は1.7405回でツアー3位と安定。米ツアーに渡る前の2009年から12年の間も、ツアートップのパター技術を見せていた。それを支えてきたのが、8年間使い続けているエースパターだ。
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10年から使い続けているのが『オデッセイ ブラックシリーズ iX#9』。インサートのL字マレットで、「グリップ、シャフト、ライ角もロフトも、1度もいじったことがないんです」と愛用し続けている。今季はエースパターから他のモデルに変更することも数度あったが、結局は“元サヤ”に戻ってきた。ところが、「三井住友VISA太平洋マスターズ」の練習グリーンで、削り出しのクランクネックのブレード型や、センターシャフトなどを入念にテストしていた。ついに8年使い続けた相棒を変更かと思いきや、「今のパターを変えたいとはまったく思っていません」とキッパリ。
「変えるつもりはまったくないけど、次のエースを探している。この代わりになるパターがないから」と、長年使い続けて経年劣化したパターの後継を時間をかけて探している最中だ。「今のパターを一生使えるかというと、インサートが不安。使えなくなってインサートだけ変えても、全然フィーリングが変わってしまう。インサートの新しいプロトタイプも試しました。後継を作ってもらう可能性も、削り出しにする可能性も高い」と、時間をかけて次のエースを探していくつもりだ。
しかし、長年替えなかったグリップだけは、「上がぐにゃんぐにゃんになって、穴も空いてる。こんなプロいないんじゃないかな」とついに今シーズンを終えて替える予定だが、それも“仕方なく”という部分が大きい。「グリップのさし方は、パターの命だと思っている。目をつぶっていてもフェースがどこを向いているのかわかるようにならないといけない」とこだわりは強い。「3Dプリンターとかあればいいんですけど。同じものを新品で作ってもらって、それを定期的に替えればいい」という発言が飛び出すほどだ。
同じパターを十数年と使い続けている岩田寛にもアドバイスを求めたこともあったが「寛さんは15年くらい同じヘッドを使っていて、インサートも僕より剥がれている。僕プラス6年くらいなので、まだ大丈夫かなというのもありつつ…」と、愛の深さがうかがえる。次のエースを見つけるのにはまだまだ時間がかかりそうだが、そのこだわりが、安定したパッティング力を生んでいるのかもしれない。
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