<伊藤園レディスゴルフトーナメント 初日◇9日◇グレートアイランド倶楽部・千葉県(6741ヤード・パー72)>
2010年大会の優勝者・佐伯三貴が、7バーディ・1ボギーで今季自己ベストタイとなる「66」をマーク。6アンダー・単独首位発進を決めた。
内容的には「100点満点に近い」と話したこの日のラウンド。出だしの10番で「寄せるつもりだった」と本人も思わず笑ってしまう16mのバーディパットを決めて勢いづくと、そこから快調にスコアを伸ばしていく。さらに16番では「ここも寄せるつもりでした(笑)」という20mのバーディパットを沈めるイケイケ状態だった。
昨年大会も初日7アンダーで、最終的に優勝を果たした福田真未と並ぶ首位発進。結果は9位タイに終わったが、相性の良さがうかがえるコースといえる。だが、佐伯は「明日は明日の風が吹くので」と気に留めていない様子。「状態はいいので、今日ミスした部分を修正して、もっとスコアを伸ばしたい」と目の前のプレーに集中する構えだ。
大の広島東洋カープファンとしても知られる佐伯。今年の日本シリーズでは、愛するチームが福岡ソフトバンクホークスに1勝4敗1分けで敗れ、1984年以来となる日本一の座を逃した。さらに、そこにはこんな裏話も。
実は佐伯、マツダスタジアムで行われる予定だった第7戦では、始球式の大役を任されていた。キャッチボールなどで準備も進めていたのだが、第6戦で勝負が決したことで登板は幻に終わった。「投げたかったですね。黒田さん(広島元投手・黒田博樹氏)からも『残念だったね』とLINEが来ました」と、“ダブルで”悔しさを味わうシリーズとなってしまったのだ。
それだけに「カープが日本一になれなかったので、頑張ります!」という気持ちは並々ならぬもの。現在賞金ランクは52位。シード復帰まであとわずかのところにいるが、「そんなのは関係ない。上だけを見たいです」。自分のため、そして愛するチームの雪辱を果たすために、ひたすら頂点を狙っていく。(文・間宮輝憲)
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