<ダンロップフェニックストーナメント 事前情報◇14日◇フェニックスカントリークラブ・宮崎県(7027ヤード・パー71)>
松山英樹に加え、弟分としてかわいがり、今季初優勝を挙げて勢いに乗る星野陸也との予選ラウンドをスタートさせる石川遼が、大会前日のプロアマ戦で好感触をつかんだ。
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「ドライバーが絶望的な状況でしたけど、いろいろクラブを調整していくなかで、いい位置に近づいている」と、ドライバーにするかブラッシー(2番ウッド)にするかの悩みは、ひとまずドライバーのネック部分に大量の鉛を貼ることで調整完了。「ドライバーでいきます」と、覚悟を決めた。
火曜の夕方は相当な量の鉛をドライバーに貼った。「何グラムか分かりません。僕の耳には入れないで、というくらい貼りました」と、突貫ではあるが、それで理想に近い球を打てたことがプロアマ戦で実証された。「自然と振れるようになったので」と、数値、データではなく、感覚重視でいくと決め、プロアマ戦では気持ちよくドライバーを振り続けた。
「一歩一歩という感じがしています。着実な一歩を大事にしてやっていかないといけない」と、不振からの脱却を目指す石川。そんな中での最注目組でのプレーはプレッシャーにならないのか。「英樹は実力があるし、陸也は勢いだけでなく花開こうとしている中。彼らが感じているプレッシャーと僕が持っている緊張感は種類が違う。正直そこまでプレッシャーも緊張もないかなと思っていて、それ自体が寂しいですね」と、置かれた状況に唇をかんだ。
若い星野は松山と石川を意識すると話すが、今の石川はそこまで前掛かりになれていない。「陸也はピリピリして鼻息荒くできるだろうし、そっちが自分の望んでいた状況。陸也は英樹に対してバチバチでいくでしょうけど、立ち向かっていく感じとか、それが自分にも必要だし、自分としては悔しいなっていう感じでもあります」と寂しげな気持ちも明かすが、表情はそこまで暗くない。
この2週間は調子を落としていたが、キッカケさえつかめれば浮上できる感覚が石川の中に芽生えてきている。そのために施した“鉛療法”が吉と出れば、「ドライバー以外は戦える感覚はある」としているだけに、楽しみな週末が待つ可能性も高い。「最終日最終組でこの3人がそろうのがベスト」と話す石川。まずは好位置で大会をスタートさせたいところだ。(文・高桑均)
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