<大王製紙エリエールレディスオープン 3日目◇17日◇エリエールゴルフクラブ松山(6525ヤード・パー72)>
2017年の「サマンサタバサ ガールズコレクション・レディース」で日本ツアー初出場・初優勝という鮮烈デビューを飾ったキム・ヘリム(韓国)。それから1年。日本ツアーの賞金ランクは61位と苦しい状況に立たされている。
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今シーズンは開幕戦の9位タイ、1試合挟んで「Tポイントレディス」でも10位タイと順調なスタートを切ったものの、その後日本への適応に苦しみ本来の実力を発揮できず。「大東建託・いい部屋ネットレディス」で5位に入るなど、2度のリランキングでは出場権を得たもののシード獲得となる賞金額は加算できていない。
そんな中、勝たなければ最終戦となる「大王製紙エリエールレディス」3日目に首位と1打差の5位タイに浮上。「今週はコーチが帯同してくれて、パットの練習を集中して行って、それが実りました」としっかりとバーディ合戦についていっている。
韓国ツアー6勝の百戦錬磨の実力者だけあってシード争いの状況におかれても焦りはない。「これまで優勝経験もあるし、このような状況でも緊張はそこまでない。“シードがかかっている試合”というよりも“最終戦”という意識が強い。今は目の前のプレーに集中したい」と泰然自若。
へリムは他の選手の状況にもよるが、50位以内に入るには単独6位以内が最低条件。来季の韓国ツアーの出場権は、5月の「Kyochon Honey Ladies Open」で優勝したためすでに有している。そんな状況での来季の主戦場に関する質問には「それは明日の結果次第で考えたい。まずは、この試合のことだけを考えていきたい」と口を閉ざした。
「全米女子オープン」の出場資格も所持していながらも、日本ツアーを選びいきなり優勝。「一生の中で一番嬉しい」と語った熱き戦いから一年。日韓問わず優勝賞金の10%を寄付する“チャリティ・エンジェル”は、岐路に立たされている。(文・秋田義和)
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