<大王製紙エリエールレディスオープン 最終日◇18日◇エリエールゴルフクラブ松山(6525ヤード・パー72)>
ついに黄金世代の真打ちがプロ初勝利を挙げた。「大王製紙エリエールレディス」最終日、「65」と圧巻のゴルフを見せた勝みなみがトータル20アンダーで4打差圧勝。18番グリーンで同期や同い年に囲まれ最高の笑顔を見せた。
【写真】仲間に囲まれ最高の笑顔を見せる勝みなみ
勝負どころで強さを発揮した。「いつもあまり良くない」という出だしの1番で2mを沈めてバーディを決めると、続く2番でも残り128ヤードから1mにつけて連続バーディを奪った。最高の流れで迎えた3番だったが、ティグランドで2組待っている状況。良いリズムで来ていただけに波に乗り続けるのは難しい場面だった。
だが、ここを冷静に対処できた。「前の組の方もそれでやっているので、気にせずに、というか普段は嫌だと思うけど、今日はその思いを消してプレーだけに集中した。同期の(松田)鈴英さんとアマチュアの上野菜々子さんと楽しく話せたのも良かった」。長い待ち時間でも、集中力を欠くことはなかった。
ラッキーも重なる。右のピンの手前は池で、前の組の権藤可恋はピンを攻めた結果池ポチャ。勝も当然落としどころの広い左を向いたが、球は右へと飛び出し「やばいな」と思わず感じた。だが、ボールは池まで転がらずカラーでピタリ。「今日は何かある」。パーでしのぎ、そう確信した。
その後も5番で「あれも大きかった」というしびれるパーパットを決めるなど、要所を締めてノーボギー。「ショットの調子が悪かったときに試合の中で色々なアプローチを練習できた。パターも色々考えてやった。それがこの優勝に生きた」と今季バーディ数3位(今大会開幕前)という持ち前の攻撃力だけでなく、守備力も大いに光った4日間だった。
勝が4年前のアマチュア優勝よりも技術が上がったと挙げたのがショートゲーム。「試合にいきたくないと思ったときもあったけど、悪いときでも応援してくださったファンの方、母、キャディ。皆さんのおかげで頑張れた。ノーボギーは本当にうれしい」と笑顔を見せた20歳。ゴルフ人生で一番状態が悪かった、という経験を経たからこそのプロ初勝利だった。(文・秋田義和)
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