<カシオワールドオープン 最終日◇25日◇Kochi黒潮カントリークラブ・高知県(7335ヤード・パー72>
くるりと回る変則スイングで話題を集める“虎さん”こと崔虎星(チェ・ホソン、韓国)。旺盛なサービス精神も交えたコミカルな動きに加えて、苦労人ならではの明るく温かい人柄で、いまやツアーの人気者。その虎さんが5年ぶりとなるツアー2勝目を挙げた。
【写真】コミカルアクションの虎さん ガッツポーズもこの通り
どうしてこんなスイングになったのか? 「年をとると体の動きが固くなるし、若い選手がどんどん飛ばしてきている。飛ばそうとスイングを大きくしようとして、ああいう動きになった」と、数え切れないほど同じ質問をされても、真摯に答え続ける。
そう、45歳のホソンはもうオジサン。「インパクトで、最大限のパワーをボールに伝えるために回転させている」と、飛距離アップが目的なのだ。結果、変な動きに見えても、インパクト前後はしっかりと管理されており、最終日もあれほどの激しいアクションがありながら、FWキープ率は64.29%(15位タイ)、平均280ヤード弱(28位タイ)と、狙い通りの結果を残した。
虎の星と書いてホソンと読むが、いろんな意味で人気低迷にあえぐ国内男子ツアーの星ともなりつつある。また、お世辞にも綺麗なスイングとは呼べないが、自己流を突き詰めて結果を出す姿は、アマチュアゴルファーにも夢と希望を与えるもので、オジサンゴルファーの星ともなりつつある。
そんなホソン、クラブのこだわりを聞くと「グリップには本当に神経を使っていて、フィーリングに合わなければ毎回グリップを替えます」とのこと。「アイアンからドライバーまで、一度フィーリングが合うと思っても、また少し違えば大会ごとに替えます」と、派手なアクションでも球を曲げない秘密に、繊細な指先感覚を挙げていた。
これを証明するかのように、球の行方を追う際に右に左に体をコミカルに動かす理由を「当たった感触で、左右どちらに飛ぶかを感じて体が自然に反応します。体を右にすると右に。左にするとボールも左に行く。気持ちが入ってあんなフィニッシュになります」と明かす。激しい動きに見えて、インパクトの状態が瞬時に分かる繊細なセンサーの持ち主なのだ。
直近は、左にフック系の球が出てしまうのが嫌で、とにかくフックが出ないようにグリップで調整したとのこと。先週の試合からグリップを開き気味に挿しており、今週はそれがちょうどよく調整できたことも奏効した。
なお、グリップはドライバーからアイアンまでゴルフプライド『MCC・ALIGN(アライン)』シリーズを使用する。元々は通常の『MCC(マルチコンパウンド)』だったが、「ALIGNのバックラインがあるとフェース面の管理がしやすい」とのこと。変則スイングで結果を出す生命線は、この繊細なフェースコントロールにあるようだ。
【チェ・ホソンの優勝ギア(WITB=What’s in the Bag)】
1W:テーラーメイドM4(10.5°プロフォースV2 6F5-X,46インチ)
3,5W:キャロウェイ ローグ(13.5,18°)
3,4U:キャロウェイ BIG BERTHA ALPHA815(20,23°)
5I〜PW:テーラーメイド グローレF
AW:タイトリスト ボーケイSM4(52°)※50°を52°に
SW:タイトリスト ボーケイプロト(58°)
PT:オデッセイ オーワークス JAILBIRD MINI
BALL:タイトリスト プロV1x
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