12月6〜7日の日程で開催される「LPGA新人戦 加賀電子カップ」。近年稀に見るスコアの伸ばし合いとなった2018年LPGAプロテストを突破した第90期生・21名が出場するが、それぞれの選手の個性を紹介する。
小学2年生でゴルフを始めた脇元華が、プロを明確に意識したのは中学3年に上がる直前の2月だった。父とともにタイでおこなわれたジュニアゴルフ合宿に参加したが、現地で同時期に開催されていた米国女子ツアー「ホンダLPGAタイランド」を観戦。
「初めて海外の選手をみたときに、ヤニ・ツェンさんであったり、トップの選手たちはキラキラしていて…。そのとき父に“私はここで戦いたいから頑張る”っていったんです。刺激を受けて帰ってからは練習量が変わりました。それまでは週2〜3回でしたが、毎日練習するようになり、球数も増えました」
宮崎日大高時代は「全国大会に出場できても最高で10位台くらい」と目立った成績は残せなかった。だが高校卒業後はアプローチやパターなどの練習量を増やし、技術的にも自信を深めていく。
だが迎えたプロテスト初年度は、最終テストに進出するも、食中毒に見舞われ最終日に「79」の大たたき。2度目となる2017年も2打足りず、涙を飲んだ。さらにこの年はさらなる悲劇が…。「エントリーミスでした」とQTにも出場できなかったのだ。
自己責任とはいえ、気落ちする状況。だが「試合が欲しかったので、がむしゃらに受けにいった」と海外へ活路を見いだし、欧州女子ツアーや台湾女子ツアーのQTを受験。台湾ではトップ通過を果たした。
迎えた2018年。台湾女子ツアーでは5月の「サンポレディスオープン」でプロとして初優勝を挙げる。ただ「いままでやってきたことが結びついてきたと思いますが、日本ではまだ、ちゃんとしたプロではない。気を抜くことはなかったです」と、3度目のプロテストには並々ならぬ意気込みを持っていた。
「今年の最終プロテスト前は、いままで受けるテストで一番緊張していました。これまでの分もある。怪我をするわけにはいかないので、運転にも気をつけたりして…1週間前からすごくストレスを感じて、生きている心地がしなかったです」
それでも3日目に「66」をマークするなど、4日間連続アンダーパーでトータル13アンダー・8位タイと合格。プレッシャーを見事はねのけた。「やっとスタートラインに立てました」。そう話したLPGA入会式では充実感、安心感がうかがえた。
174センチの長身だが、まだまだ自分のポテンシャルを発揮できている実感はない。「あまりプレーの特徴がないんです。特別に飛ぶわけでもない。体格に恵まれている分、それをいかせるようなスイングをこれから作っていく予定です。飛距離も技術もまだまだ足りない」とプレー面の課題は多いが、プロとして目指すスタイルを固めている段階だ。
「ゴルフがすごく好きなんです。お客さんが楽しんでもらえるようなプレースタイルを心がけるようになっていますし、いまはまだまだ練習が必要な私ですが、楽しんでいる姿を見てもらいたい」
国内で認められ、いつかはプロを目指すキッカケとなった米国へ。リスタートの気持ちで一歩一歩階段をのぼる。
脇元華
〇所属:UMKテレビ宮崎
〇1997年10月4日生まれ
〇出身地:宮崎県小林市
〇身長174センチ、体重66キロ
〇血液型:AB型
〇ゴルフ歴:8歳〜
〇趣味:映画鑑賞、カラオケ
〇特技:側転
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