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「ダメなら来週頑張ればいい」　腹をくくった永井花奈の一振り【最終戦出場者が選ぶ“今年の一打”】

「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」を終え、幕を閉じた今季の国内女子ツアー。今シーズン優勝者、賞金ランク25位以上など精鋭のみが出場できる大会の狭き門をくぐって出場した選手たちに、“今シーズン一番印象に残っている一打”を挙げてもらった。今回は、安定感を武器に2年連続で最終戦出場を果たした永井花奈。
ドレス姿は…雰囲気が結構変わります【永井花奈　女子プロ写真館】
「サイバーエージェント レディス」で3位タイに入るなど序盤から安定感を見せた永井。夏場は予選落ちが続いた時期もあったが、終盤には復調して「伊藤園レディス」で2位タイに入るなど見せ場を作った。そんな若き実力者が「何だろう…」と迷った末にピックアップした “今年の一打”は、最終戦出場を決めた伊藤園の最終日、17番パー3で残り193ヤードからピン横2mにつけたティショット。
幾多のドラマを生んだグレートアイランド倶楽部の17番ホールは、グリーンの左に池があるのが最大の特徴。伊藤園の最終日はピンが左に切られ、距離が長いティショットでリスクを負うのか、はたまた守りに入るのか。プレーヤーの判断力が試される。
優勝争いを演じていた永井も、当然様々な思いが交錯していた。ましてや「16番を終えてから（前が詰まっていて）待つ時間がありました。そのままスムーズにいきたいなという気持ちがあったのですが、逆に難しいところほど色々考えてしまうんですよね」という状況。迷ったまま打った選手もいただろう。だが、永井は覚悟を決めた。
「まだ、賞金ランク的に最終戦の出場が決まっていない状況だったので、真ん中に打ってパーを獲った方が確実にリコーに近づくとも思いました。ですが、それ以上にこのホールと18番でバーディを獲ればトップに追いつけるという気持ちの方が強かったんです。池に入ったら“また、来週頑張ればいいや”と割り切っていました。優勝するために、ピンを狙いにいきました」
リスクを取るという結論に至ったのは今季の経験も大きかった。「今年、私が最終日に同組で回った人が優勝することが多かったんです。そういう人たちから感じたのは、優勝する人は運にも恵まれている。ミスショットしようが、打ってはいけない方に飛んでいこうが、結果的にトラブルにならないでいい方向に転がるんです。だから、もし、私が優勝できるなら、ここでピンを狙っても池に入らず上手くいくんじゃないかなと思って。優勝するならピンに寄る。勝てないなら池でもいいと思っていましたね」。永井は賽を投げて、勝負に勝った。
結果としては18番でバーディを奪えず、優勝した黄アルム（韓国）に1打届かず2位。だが何よりもかえがたい経験となった。「この日は、序盤でOBを打ってしまっているんです。でも、逆にOBがあったから吹っ切れて回れた部分もありました。ですが、優勝するとなればそんなにスコア落とす余裕はありません。次に優勝争いの位置でスタートできるときは、はじめから強い気持ちでプレーできるように頑張りたいと思います」。
【永井花奈・2018年の主要成績】
「ヤマハレディースオープン葛城」5位タイ
「サイバーエージェント レディス」3位タイ
「伊藤園レディス」2位タイ
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