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終盤戦に差し掛かった“賞金”争い　病を乗り越え1カ月で2勝を挙げた選手も【2018年女子ツアー振り返り〜10月編】

2018年も多くのドラマが生まれた国内女子ツアー。今となっては忘れている大会、1打はありませんか？ひと月ごとの優勝コメントとともにプレーバック！今回は10月を振り返ります。

シーズンも終盤戦に差し掛かり、賞金レース、来季シードなどに関する話題もちらほらと耳にする秋シーズン。この月には、一気に2勝を挙げる選手も登場した。
10月5日開幕の「スタンレーレディス」。台風25号の上陸が心配されるなか行われた大会では、初日に大山志保、全美貞（韓国）のベテランと、新垣比菜、原英莉花のルーキーの計4人がトップに立った。2日目は全と新垣が首位を守るなか、「65」をマークし一気に順位を上げたのが、ささきしょうこだった。
2016年の「大東建託・いい部屋ネットレディス」以来となるツアー2勝目を狙ったささきは、最終日も「68」をマーク。8番でダブルボギーを叩いた新垣比菜をかわし2年ぶりの勝利をつかんだ。『自律神経失調症』と『パニック症候群』と精神面からくる病を乗り越えての優勝に、「精神的にきつかった時期を乗り越えてまた優勝できたことはメンタルが強くなったと言えます」と笑顔を見せた。
続いて行われた「富士通レディース」では、大会終了時点の賞金ランク上位35人に日米共同開催の「TOTOジャパンクラシック」出場権が与えられることもあり、そこも焦点となった。
その大会を制したのは成田美寿々。1打差で今季好調のアン・ソンジュ（韓国）を振り切り、「宮里藍 サントリーレディスオープン」、「アース・モンダミンカップ」に続く今季3勝目を手にした。2012年の今大会でツアー初優勝を挙げている成田。それだけに「初優勝した大会で、再び勝つ日が来て感慨深い」と特別な思いを胸に抱くことになった。
また、今大会では“プラチナ世代”と呼ばれる現在の高校3年生世代の筆頭選手、安田祐香（滝川第二高3年）が予選を通過。出場したプロトーナメント全10試合すべてで決勝ラウンドに進出し、諸見里しのぶらが持つアマチュアの連続予選通過記録に並ぶ快挙も達成した。
10月18日からは優勝賞金3240万円（総額1億8000万円）を誇るビッグトーナメント「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」が開幕。その後の賞金女王、シード争いを占う大一番が行われた。
結果的にこの大会を制したのはアン・ソンジュ（韓国）。今季5勝目を挙げ、4季ぶりの賞金女王の座を一気に手繰り寄せた。そのソンジュを一時1打差まで追い詰めた松田鈴英は終盤のダブルボギーなどで失速。「ちょっとしたミスが響いてしまった」と話し涙を流した。
この大会は勝負の行方以外にも大きなトピックを提供する大会となった。ホステスプロとして臨んだイ・ボミ（韓国）が、この大会で初の予選落ち。悔しさから、こちらも涙で頬を濡らした。また、これが日本ツアー最後の試合になるとも噂されたアン・シネ（韓国）も2日間で姿を消した。
その一方で、笑顔の選手も。原英莉花は初の賞金シードが確定。また、キム・ハヌル（韓国）はホステス大会で今季最高位の単独2位に入る活躍を見せ、この結果、こちらも来季の賞金シードに当確ランプを灯した。
10月の締めくくりとなる「樋口久子 三菱電機レディス」。ここでは再び、ささきがその強さを発揮した。
初日、2日目に単独トップに立ったのは三ヶ島かな。2位に2打差をつけ最終日を迎えた。しかしその最終日、三ヶ島は3番からの3連続ボギーで失速。その間に浮上したのが、バーディを積み重ねたささきだった。小祝さくら、松田鈴英らとの優勝争いを制し通算3勝目。3試合前のスタンレーレディス優勝直後とあって、「まさかこんなに早く複数回優勝ができるとは思っていませんでした」と驚きの声をあげた。
一方、ツアー初優勝を逃した三ヶ島は涙のホールアウト。「あんまり（試合中のことは）覚えていない…。プレッシャーは感じてはいたのですが、やる気のほうが強かった」と悔しさをにじませた。
この時点で、2018年シーズンも残すところ4試合。それぞれが、自らの目標に向けラストスパートをかける11月へと突入した。

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