2019年の活躍が期待される“新星”のスイングを、日本でもわずかの米国のレッスンプロ資格TPI(Titleist Performance Institute)レベル3取得者で、現在河本結らのコーチを務める目澤秀憲氏が解説。今回は初シード選手としてシーズンを迎える権藤可恋。昨季のドライビングディスタンスは65位だが、安定したゴルフの源はどこにあるのか?
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トップ10を4回記録するなど2860万円あまりを稼ぎ出し、賞金ランキング39位で初シード入りした権藤。初優勝が期待できる選手として、今季注目の1人だ。
飛距離が出るほうではないが、フェアウェイキープ率は17位。「曲がらないですね。スイングのリズムがよく、フェアウェイに置いてゴルフを組み立てていますね」と目澤氏。ゆったりとした大きなスイングが特徴だ。
「これだけトップのポジションが大きくて体が回っていると、リズムが大事。そこが長けているのでしょう」と話すように、リキみが感じられないスイングで安定したボールを放つ。そんな中で特徴的なのは、「ダウンスイングでクラブが体に引きつけられるところ」と目澤氏は指摘する。
クラブが体の近くを通ることで何が起こるか。結果的にヘッドが暴れることなく、フェース面も暴れずに、「自分の飛ばしたい方向にしっかりとクラブを向けられている」という。そして、これを可能にしているのが、切り返しからダウンスイングにかけての腹筋だ。
この時点で腹筋に力を入れることによって、腕に力を入れずにインパクトまで迎えることができる。大きなトップからでも、この腹筋への力の入れ具合を意識すれば、最短距離でクラブが下りてくるためパワーロスも少ない。「体力がないアマチュアの方にも参考になる部分です」とメリットを挙げた。
加えてダウンスイングからインパクト、フォロースルーの動きで特筆すべきは左足の動き。
「打ったあと、左足がジャンプしながら足の向きが飛球線方向に変わっています。とはいえ、左足のつま先がクギのような役目になっていて、そこを中心に回転している。左サイドに壁をつくるよりも、回転の力をうまく使えていますね」
体力や腕力がなくても、安定したドライバーショットを打つための理想的なスイングといえそうだ。
解説・目澤秀憲(めざわ・ひでのり)/1991年2月17日生まれ、東京都出身。日大ゴルフ部出身で、卒業後に米国へゴルフ留学。そこで米国のレッスンプロ資格TPI(Titleist Performance Institute)Golf junior レベル3を取得した。現在は「エースゴルフクラブ」でレッスン活動をするかたわら、河本結らを指導するプロコーチとしても活躍する。
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