間もなく国内女子ツアーが幕を開ける。そんな新シーズンに向けて、新たなメーカーとクラブ、ウェア契約を結び、さらにコーチ、トレーナーを新規につけるなど、大きく様変わりしたのが永井花奈。そんな注目の21歳に、開幕前の気持ちを話してもらった。今回は昨年の振り返りと新たなクラブ契約について。
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−改めて昨シーズンを振り返ってどんな一年でしたか?
昨年は、その前の年に挙げた初優勝が短縮競技(編集部注:樋口久子 三菱電機レディスは台風接近のため2日間競技に)での優勝だったので、しっかり全日程を消化した上で優勝することが目標でした。シード獲得や賞金ランキングよりも、優勝にこだわってやっていましたが、達成することはできませんでした。
また、去年は平均パット数とドライバーの飛距離を伸ばしたいなと思っていました。試合の結果だけじゃなく内容も見たときに、特に足りないと思っていた部分でした。その2つを伸ばしながら、試合をこなしていました。その結果、一昨年のスタッツと去年のスタッツを比較してみたときに、平均パットはまずまず良くなりました。
ただ、ドライバーの飛距離アップができなくて。そこでシーズン終わり際くらいに、辻村明志プロに見てもらいたいとお願いをしました。その辺りができなくて優勝できなかったと思っているので、今年はオフにしっかりと取り組んで、同じように優勝にこだわってやっていきたいと思います。
−平均パット数だけでなく、リカバリー率も数値が上がりましたね
私の場合はどんどんピンを狙っていくというスタイルでやっています。なので、パーオン率を意識するよりは、攻めた結果としてグリーンを外してしまうことは許容範囲と思っていて。全部がいいというわけじゃないですけど、全く寄らないところ以外には外してもリカバリーを頑張ろうというのが頭にあります。ウェッジが得意というのもありますし、そうやってリカバリーの数字が上がったということは良かったと思います。攻めてスコアを作っていこうとやっているので。
−そういう部分では優勝はできなかった中でも収穫もあった
考えていることは年々進化していると思いますし、色々なことに対応できているかなという実感はあります。それを続けてやっていければ、成績につながるのかなという気持ちですね。
−そんな今シーズンは、ヤマハとクラブ契約を結びました
クラブはスイングの技術の次に大事なところだと思っています。これまでプロになってから3年間は別のメーカーさんと契約させていただいていて、私の技術に対して最大限のサポートをしていただきました。
当然その中で私も成長していて、全く同じではなくどんどん変わっていっている。プロとして3年間やってきて思うのは、クラブの構えやすさとか見た目はもちろん大事なのですが、私は試合ではクラブのことよりも色々なマネジメントや精神状態のほうに注力したい。クラブは、いい意味で簡単であって欲しいとすごく感じました。
それを踏まえてテストをした上で、ヤマハさんのクラブで一番気に入ったのはアイアンです。ドライバーもとてもいいですが、アイアンのいい意味での簡単さがすごく気に入りました。スイングやショットのことよりもマネジメントに頭を使えるようなクラブを選びたかったので、考え方とすごくマッチしていました。
−クラブを替える不安はなかったですか?
納得した上で替えているのでないですね。そうでなければ契約しないと思いますし。合うクラブを見つけられるようにすごくサポートしていただいているので、不安はないです。
−昨今クラブ契約フリーの選手が多いですが、フリーは考えなかったですか?
フリーになることは考えなかったですね。フリーはフリーで、自分で考えないといけないことが増えます。新しいコーチにもついてもらって、そっちでもやることがたくさんできているので、スイングがもう少しできあがったら色々なクラブを試してみるのもいいかなと思いますが、今はないですね。
フリーだとどのクラブでも使えるというのがあるので、いい意味でも悪い意味でも迷いが出てしまうこともあるのかなと思います。提供していただけるクラブに悪いと思ったことはないので、こういった決断をしました。
永井花奈(ながい・かな)/1997年6月16日生まれ。東京都出身・デンソー所属。高校2年時に出場した2014年の「日本女子オープン」で3位に入るなど、アマチュア時代からプロのトーナメントでも活躍。16年にプロ転向を宣言し、同年のプロテストも堂々の1位突破。17年は早々に初シードを確定させると、終盤の「樋口久子 三菱電機レディス」で念願のツアー初勝利を挙げた。18年は優勝こそなかったものの、「伊藤園レディス」で2位タイなど随所で存在感を発揮。19年はさらなる活躍が期待される。
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