<ダイキンオーキッドレディス 3日目◇9日◇琉球ゴルフ倶楽部(沖縄県)◇6514ヤード・パー72>
風速10.6m/sの風が吹いたムービングデー。さらに雨も降る難コンディションに、上がってきた多くの選手の口から「とても過酷でした」、「イーブンパーなら合格」といった声が聞かれた。
この日も沖縄は雨雲に覆われた【写真】
中でも選手を苦しめたのが10番。390ヤードのパー4で、本来であればそこまで難易度は高くないホールだ。予選ラウンド2日間の難易度は18ホール中9番目、昨年3日間(短縮競技のため)も6番目と、いつもなら特筆すべきホールではない。
だが、この日は54人がプレーしてバーディは1人だけ。半数をゆうに超える35人がボギー以上を叩いた。平均スコアは4.6852。もちろん18ホール中1番の難易度だ。
ここまで難しいホールとなった原因は風向き。例年3月上旬のこの時季は強い北風が吹くのだが、この日は東南東の強い風。そのため東に向かって打つ10番ホールは、アゲインストとなり、もろに強い風の影響を受けることとなった。
特にこの日の最大瞬間風速18.7m/s(11時48分計測)のころに10番をプレーした選手は大変だった。畑岡奈紗の2打目は残り172ヤード。昨日9番アイアンでセカンドを打ったホールで、握ったのは3番ハイブリッド。それでも15ヤードほどショートしてボギーを叩いた。「このホールが、一番風が強かったですね。一日を通して、こんなに風が吹いたら笑いながらやるしかないですよね(苦笑)」と話した。
百戦錬磨の申ジエ(韓国)もこのホールでつまずいた。2打目の残りは165ヤード。それでも手にしたのは5番ウッドだった。前日は8番アイアンだったのに、である。それでも「いい感じで飛んでいった。近くに行くな」と思ったら…。「20ヤード前にありました。全然寄らなくてびっくりしました。違うコースに感じました」。結局そこから寄らず入らずでボギー。首位を走る比嘉真美子の背中が遠くなった。
一方、2位以下に7打差の単独首位に立った比嘉はこのホールでパーセーブ。残り176ヤードから4番ユーティリティでグリーン右手前のバンカーへ。そこから2mに寄せてパーとした。それでも「10番ホールが一番難しかったですね」という。
唯一バーディを奪ったのは葭葉ルミ。「残り138ヤードからアゲインストだったので7番アイアンで打ちました。8mくらいのバーディパットで打った瞬間、みんなが“え?強くない?”という感じだったのが入ってくれました」と値千金のバーディ。「あのホールのティショットは本当に飛んでいました。今日一番良かったショットだと思います。アゲインストだったので力まないように打ったのが良かったですね」と笑顔で振り返った。
明日の天気は曇り時々雨。風向きは北の風のち北西の風の予報となっており、いつもの風向きとなる予報だ。(文・秋田義和)
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