昨シーズン、「サマンサタバサレディース」で6年ぶりとなる優勝を挙げた有村智恵。米ツアー撤退後の苦しい時期を乗り越えて復活、有村智恵物語の第二章の幕開けとも言うべきシーズンとなった。一方で19年はプレーヤーズ委員(協会内の選手会とも言うべき組織)の委員長として、いち選手としてだけでなく、選手の代表としての手腕も問われることとなる。そんな注目の31歳に思いを語ってもらった。今回は今季の目標やテーマについて語ってもらった。
女子プロ開幕戦のクラブセッティング【写真集】
−オフはどちらで練習されていましたか?
まずはハワイに。その後、コーチがいるシカゴに一週間だけ行きました。そこからはずっとロサンゼルスで合宿をしていました。
−オフに取り組んだことは?
最終日とかで優勝争いに絡んだ時に、とにかくパッティングがショートすることが多くて、バーディチャンスであまり打てなかった。そういうパッティングだとなかなか流れも来ない。ミスの仕方がやっぱり良くなかったなという反省点が多かった。そこを一番の課題としてオフに入りましたので、多めに取り組みました。
−パッティング以外では何か重点的にやったことありますか?
飛距離も私の大きな課題なので、アップするために色々なトレーニングを取り入れました。今まではオフに入って前半でランニングメニューをもってきて、後半はラウンドを中心にちょっとしたエクササイズだけに抑えていましたが、去年塩谷育代さんとお話させていただいた時に、最初に固めるトレーニングをして、開幕が近付くにつれて瞬発型のトレーニングとかランニングメニューをもっていったほうが、動きにすごくいい影響が出やすいとおっしゃっていたので、今年はランニングメニューを後半にもってきて、固める動作をしないように後半はやっていました。
−開幕を直前にして体の動きに違いは感じますか?
違いますね〜!やっぱり、アグレッシブさが増した感じはします。前はやっぱり“どっしり感”をもって開幕したんですけど、今は逆にこう…、速さというか俊敏さがあります。動きというか軽さを感じていますね。
−今シーズンの目標は何ですか?
優勝を目指したいのはもちろんですが、去年の優勝が追いかけて逆転(最終日に最終組の2つ前の組で「66」を出し2打差を逆転)でした。それはそれでうれしいのですが、やっぱり最終日最終組で回って、タップインでちゃんと最後にカップに沈めて優勝する、というシチュエーションをもう一度味わいたい気持ちが強いですね。それが一番の目標です。
−2012年以来の公式戦優勝というのはいかがですか?
それは間違いなく狙っていきたいですね!一度勝ったことで、メジャーを勝つということがどれだけ価値があるものなのかというのをすごく実感しました。だからこそ、もう一度その舞台で勝ちたいですね。
−海外メジャーについては?
今年のオフにミッションヒルズ(ANAインスピレーションの開催コース)ではないのですが、パームスプリングスに行ったときに、久しぶりにちょっとあの場所に帰ったら、やっぱりあの試合はすごく楽しかったなっていう思いが込み上げました。改めて海外メジャーはひとつのモチベーションです。
−4月22日に行われる全米女子オープンの予選に出る予定は?
悩みますね。今年はすごく恵まれていて、一週もオープンウィークがありません。なので、スケジュールの組み方が難しい。それに加えて予選会は一日36ホールも回らないといけません。体の負担も大きい。それまでにある程度の結果が出せていれば、また考え方が変わるとは思うんですけど…。そこは悩みどころですね。
−最後に今年のテーマがあれば教えてください
感謝の気持ちをできるだけ声に出すというのがテーマですね。あまりちゃんと伝えられてないことが多くて、意見ばっかり出しちゃうことが多いので。ちゃんと感謝の気持ちも伝えて、というのを今まで以上に意識していきたいなと思っています。言っていなかったなというのがあるので…。できるだけ意識して言うようにしたいなと思います。
有村智恵(ありむら・ちえ)/1987年11月22日生まれ。熊本県熊本市出身・日本HP所属。東北高校卒業後の2006年にプロテスト合格。09年に年間5勝を挙げるなど、国内通算13勝を挙げる活躍を見せて13年から米ツアー参戦した。しかし、米国では苦戦を強いられ、本格参戦4年目の16年途中に国内ツアーに復帰すると、18年の「サマンサタバサレディース」で6季ぶりの復活優勝。19年は選手としてだけでなくプレーヤーズ委員長としてツアーを牽引する。
<ゴルフ情報ALBA.Net>