<ANAインスピレーション 2日目◇5日◇ミッションヒルズCC(米国カリフォルニア州)◇6763ヤード・パー72>
先週覇者があわや予選落ちの危機に陥った。1オーバー・42位タイから「上を見て」スタートした畑岡奈紗は、途中連続ボギーなどでカットラインが気になる位置まで落ちるも終盤カムバック。トータル1オーバーの28位タイで得意のムービングデーに向かう。
ANA会場で撮影!畑岡奈紗の超最新ドライバースイング【連続写真】
前半からガマンのゴルフを強いられた。ショットは悪くないもののパッティングが一筋ズレている。そんな中、4番ではティショットを右に曲げるミス。ショットにも不安が顔を覗かせる。結局前半9ホールはバーディを奪えず1ボギー。スコアを落として折り返すことになった。
後半の11番でこの日最初のバーディを奪ったが、13、14番と連続ボギー。いよいよ「カットラインが気になりだした」というスコアまで落ちたが、15番で残り120ヤードから3.5mにつけて2つ目のバーディを奪うと、大勢のギャラリーが集まった最終18番パー5を迎える。
2打目はエッジまで残り200ヤードと攻めていきたくなる場面で、「レイアップしてもバーディを獲れないわけじゃない」とあえて2オンは狙わず。その際「グリーンが固いので60ヤードくらいからのショットだと、スピンがかからず止められない。フルショットできる位置に置いた」と残り85ヤードの位置に刻むと、54度で3mにピタリ。渾身のバーディ締めで、決勝ラウンド行きを確実なものにした。
苦しいラウンドとなったが「いいゴルフと紙一重だった」という。「オーバーパーで2日間を終えることは想定していませんでしたが、パットが決まっていれば5アンダーくらい出てもおかしくなかった。いいリズムで回ることができれば伸ばせると思う」。わずかに決まらずギャラリーからため息がもれるシーンは、この日何度も見られた。これが歓声に変わり出せば、一気に上位が見えてくる。
「ショットもパットも悪くありません。パッティングも距離感と読みは合っていなかったですが、いい転がりでは打てていました。体調を整えて頑張っていきたい」。今大会の対策として磨いていたフェードボールに手応えを得ているのも好材料。首位に立ったキム・インキョン(韓国)はこの日「65」をマーク。バーディ締めの勢いそのままに、早い段階で“きっかけ”をつかむことができれば、出せない数字ではないはずだ。(文・秋田義和)
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