<オーガスタナショナル女子アマチュア(決勝) 最終日◇6日◇オーガスタナショナルGC(米国ジョージア州)◇6365ヤード・パー72>
世界で最も敷居の高いコースのひとつとして知られるオーガスタナショナルGCで行われた「オーガスタナショナル女子アマチュア」の決勝ラウンド。女子の正式競技がはじめて行われた歴史的な日に、日本から参戦している安田祐香が3位タイフィニッシュ。第1回大会のトップ3に名を連ねる歴史的な日となった。
前日には日本の怪物と緊張しつつ記念撮影!【写真】
首位と3打差の6位からスタートした安田は、「緊張していた」と1番でいきなりボギー。出鼻をくじかれた形となったが、2番パー5では2オンに成功。イーグルこそ逃したが楽々バーディ。4番でもバーディを奪い、上位を追いかけた。
首位と3打差でハーフターンすると、10番では流れを切らすボギー。それでも粘り強く13番でバーディを奪ったが、14番でボギー。15番パー5ではまたしても2オンに成功するも3パットのパー。「ショットが左に行っていた」という中で淡々と上位を追い続けた。すると16番パー3。「もっと右を狙っていたんですけど(笑)、引っかけてしまって」というティショットがピンに絡み2メートルを沈めてバーディを奪い大歓声を浴びた。
この時点で最終組を走る2人が抜けていたため、優勝は遠のいていたが、意地を見せたと思った矢先の17番でまたしても3パット。ボギーとして、結果的にはこの日「72」でスタート時と同じトータル2アンダーでホールアウト。「18番も緊張していました」と、「マスターズ」を思わせる大きな拍手のなかで、オーガスタラウンドを終えた。
「こんなにギャラリーがたくさんいるとは思わなくて、プロの最終日の最終組で回ったときよりも緊張しました。グリーンもすごく速くなっていったし、難しかったですが、スコアをまとめられたのはすごく自信につながりました。いままでで一番興奮しました。マックス、100でした(笑)」
喜怒哀楽を表に出すことがほとんどないため、ラウンド中の心の内は外から判断しにくい。それでも、緊張感がロープの外にも伝わるプレーだった。マスターズと同じ舞台での夢のラウンド。初代女王の称号こそ逃したが、「海外のギャラリーの前でプレーしたのは初めてで、楽しかったです。すごく幸せでした」と、記念すべき日を笑顔で振り返った。
「また出てみたいです(笑)」と本音をもらすほどの経験。本大会は当然ながらアマチュア選手のみ出場可能で、11月に行われる国内のプロテスト受験を経てプロゴルファーとなれば、2度と出場することはかなわない。18歳の安田にとって、あまりにも貴重なラウンドは、今後のゴルフ人生を支えていく1日となったに違いない。(文・高桑均)
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