今週の現地時間11日(木)に、いよいよ海外メジャー「マスターズ」が開幕。日本勢では松山英樹、小平智、今平周吾、金谷拓実(東北福祉大3年)の4人が出場する。2011、13年に2度マスターズの出場を果たした藤田寛之が、この夢の舞台について解説。オーガスタ経験者として、同じヤマハ契約の今平を始め、日本人選手の印象について語った。
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■日本のトップ選手が出場しても苦戦しているコース。難しさはどういったところでしょう。
「日本人選手がマスターズで戦うには、トータル的に足りないところは多いと思う。自分がオーガスタに2度行って思ったのは、コースのグレードに対して、自分自身の返せるレスポンスが合ってないということ。よりパワーも出さないといけない。選手のフィールドもものすごいパフォーマンスの選手ばかりなので、パワーも技術も非常に高いレベルが必要だと実感しました。
あとはグリーン周り。芝の薄いライから、ボールだけを拾ってスピンをかけたり、大きな斜面に当ててピンを狙っていくという技術が必要になるけど、日本でプレーしているとそういうった経験は少ないと思う。芝も日本のコウライとは違うので、アプローチが通用しない。そこでまず最初に苦労するのですが、やはり海外である程度、自分のゴルフを作っていく期間は必要ですね。まあ、松山選手はすぐに対応しましたけど(笑)」
■それで言うと、今年出場する4人の日本人選手の印象は?
「松山選手は、パワーやショットの正確性もあって世界のレベルに追いついているので、マスターズへいけた。その力を証明するように、その後も米ツアーで活躍している。ゴルフのレベルもポテンシャルも、今の日本でプレーしている選手とはグレードが違うと思います。米ツアーで優勝、優勝争いも繰り返しているから、今年も期待が持てます。歴史的瞬間を見たいですね。
小平選手は、去年も出ていてある程度の結果も残している(28位タイ)。最近ウェッジの使い方がうまくなっていて、ボールだけを拾う感じで、サンドウェッジの精度が上がっている。もともとドライバーショットもうまいので、グリーンまでは非常にうまく対応できるんじゃないかと思います。あとは、最後のパターがどうなるかですね。
アマチュアの金谷選手は、間違いなく次世代の日本のプロゴルフ界の中心になってくる選手。松山選手と同じくアジアアマで勝って、マスターズと輝かしいラインを辿っている。世界のレベルをもっと感じてもらいながら、松山選手みたいに海外で活躍できる選手になってほしいですね」
■藤田選手と同じヤマハ契約の今平選手は?
「個人的には大注目の選手です。高いレベルで安定しているから、ショットの精度も高いし、日本ではずば抜けている。アプローチは、外国の芝でも苦にならないような打ち方をしているから面白い。飛距離の部分で本人がどう感じるかもあると思いますが、自分のゴルフでどこまでやれるか。僕は、十分通用すると思います。色々な経験もしてきているし、温厚そうに見えてアツいものを持っている。すごく楽しみですね」
藤田寛之
1969年06月16日生まれ、福岡県出身。92年にプロ転向し、97年「サントリーオープン」で尾崎将司を下して初優勝。国内ツアーで通算18勝を誇る。11年には史上8人目の生涯獲得賞金10億円突破を果たし、12年には4勝を挙げて43歳で賞金王の座に就いた。
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