<マスターズ 事前情報◇9日◇オーガスタナショナルGC(米国ジョージア州)◇7475ヤード・パー72>
22回目の出場。大会4勝。トータル18アンダーという大会記録の優勝スコア。劇的チップインに7連続バーディを果たした2005年大会。数え切れないほどの伝説を残してきたオーガスタナショナルGCにタイガー・ウッズ(米国)が戻ってきた。
ウッズが手にしているのは…発表直後のタイガーモデルのアイアン【大会フォトギャラリー】
昨年9月の「ツアー選手権」で約5年ぶりのツアー優勝。通算80勝目を挙げた伝説の男にファンが求めるのは、やはりメジャー15勝目。そんな大きな期待を背負ったタイガー自身も、特別な場所に戻ると気持ちが高揚する。
一般的には知られていないが、「マスターズ」はコース内への携帯電話の持ち込みを禁止している。これはパトロンといわれるギャラリーのみならず、我々報道陣も含めて、関係者すべて。そのため、近年では当たり前になってきた、プレー中の携帯での撮影もここではあり得ない。
さらには、「ロープの中には選手とキャディだけ。僕たちしかいないから、じゃまをする者がいないのがこの大会。他の大会、例えば全英オープンなどは、コースが狭いということもあって、ロープの中に100人近く入ることがあり、気が散ることがある」。通常、ロープの中にはギャラリー整理、スコアラー、移動式スコアボードに加え、ガードマン、カメラマンなどなど、数多くの関係者がいるが、マスターズには一切いないのだ。
「今では携帯をマナーモードにしているから、気になることはなくなったけど、ここでは純粋にゴルフなんだ。このコースは特別。バーディかイーグルの大歓声は聞けばわかる。他の大会では、ボールが飛んだらすぐに絶叫があったりするけど(笑)、ここではそいうことはない。それを可能にするのがパトロンなんだ」
ゴルフに精通したファンが集まる場所オーガスタと、その場にふさわしいスーパースター、タイガー・ウッズ。この2つがコラボすれば、あの大熱狂が再び訪れる。「16番にくれば毎年同じパトロンがいて、1番でもそう。50年以上も来ている人もいるんだから」。選手のプレーを純粋に見て楽しめるのがオーガスタの魅力なら、選手がプレーすることを純粋に楽しんでいるのもオーガスタの魅力だ。
長らく不調、不振、ケガ、スキャンダルで戦線を離れていたウッズ。昨年の復活以降、試合数も多くない状況で、どこまで仕上げることができたのか。試合が始まれば大声援、拍手、絶叫でウッズの居場所がわかるほどの状態になるオーガスタ。2008年の「全米オープン」以来となるメジャー15勝目を、オーガスタが後押しする。(文・高桑均)
<ゴルフ情報ALBA.Net>