<KKT杯バンテリンレディスオープン 事前情報◇18日◇熊本空港カントリークラブ(熊本県)◇6428ヤード・パー72>
一度はなくなりかけた思い出の大会。そんな「KKT杯バンテリンレディス」の開幕を前に地元・熊本出身の上田桃子は「やれるだけでうれしい。来年以降も続けてもらえるような大会にしなければいけないと思います」と語った。
2年前は涙の敗戦…【写真】
上田にとって今大会は、ここ3年の出来事だけでも、一日では語り尽くせないほどのトーナメントである。3年前は熊本地震により大会中止、県民の期待を一身に背負って臨んだ翌年の大会でのプレーオフ惜敗、リベンジを期した昨年は予選落ちを喫して失望…。そんな大会が放映権の問題に起因してなくなると聞いても「まさかあの大会がなくなるなんて」と信じられなかった。それだけに、紆余曲折の末に今年も開催されることとなり、本当に安どした。
そんな大会だから気合いが入らないワケがないが、それこそが落とし穴というのを痛いほど味わった。「去年意気込みすぎて空回りしてしまいました。そこからモチベーションもなくしてしまって…」。一番勝ちたい大会だからこそ、普段通りのプレーがカギとなる。
とはいえ、頭で分かっていても行動に移すのは難しい。今年「Tポイント×ENEOS ゴルフトーナメント」で優勝したことで少しでも余裕が出るかと思いきや、「昨日のプロアマの前夜祭などでも“優勝おめでとう”と言ってもらえて。より頑張りたいと思いました。その気持ちが空回りしないようにしたいのですが…」。背負い込んだ思いを下ろすのは、中々どうして簡単ではない。
責任感が強い上田だからこそ、“絶好調ではない”ことが良い方向に働きそう。「アクサレディスまでは本当に調子が良くて、60点くらいのプレーに満足できなかった。そういった時に気持ちをうまくコントロールすることを今年の目標の一つに挙げていたのに、他のプレーの点数が高いから、どうしても60点に対して技術的に足りないことにフォーカスしてしまっていました」。全体的に良い時こそ、悪かったポイントに目が行くのはたまにきずだ。
「50点、60点のプレーを受け入れられるようになれば、また変わってくると思います」。このオフの合宿から意識している“我慢”。それさえできれば、後は地元の大声援が背中を押してくれる。(文・秋田義和)
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