<KKT杯バンテリンレディスオープン 2日目◇20日◇熊本空港カントリークラブ(熊本県)◇6428ヤード・パー72>
初日に「81」を叩き、9オーバーの106位タイ、つまり最下位に沈んだ渋野日向子。それが2日目に1イーグル・6バーディ・2ボギーの「66」とスコアを一気に15も縮めて、トータル3オーバーの50位タイで予選を突破した。これには「私にも意味が分かりません」と本人も驚きを隠せなかった。
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「最初の3ホール連続で木に当てて、パー5では5つ落として…」という初日とは雲泥のプレーだった。「コーチから“やれるだけやってこい”と言われたので攻めようと思っていました」と10番からスタートすると、序盤から順調にバーディを重ねていき、18番パー5では2オンに成功してイーグルを奪取。
さらに1つ伸ばして迎えた最終9番パー5では、自分のスコアを分かっておらず、ここでも「イーグルを獲るしかない」と思っていた。だが、実際はバーディでも大丈夫で、4打目の2mのパットを沈めたことでカットラインにギリギリ滑り込み。見事、決勝進出を果たした。
運も向いていた。予選突破は50位タイまで。そして渋野の順位は50位タイ。つまりトータル3アンダーの選手が、1人でも2アンダーだったらダメだったのである。特に18番はこの日難易度最下位のホールとなりバーディを奪う可能性は高かったが、後ろの組で回っていて順位が変動する可能性があった淺井咲希、イ・ナリ(韓国)はともにパー。この辺りも渋野に味方した。
最下位からの予選突破は、1988年のツアー制施行後では2003年の「プロミスレディス」で竹末裕美が記録(9オーバー・106位タイ→4オーバー・38位タイ)して以来、史上2人目の“大カムバック”となった。
「99%通ると思っていなかったので、こんなに予選通過がうれしいことはないですね。感激と驚きで泣きそうです」と明るい表情を見せた渋野。「明日は最終日を回れるよろこびを噛みしめながらプレーしたいと思います」と、つかみ取った決勝ラウンドを心待ちにしていた。(文・秋田義和)
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