最新ゴルフニュース

圧巻の後半「29」　勝負どころで申ジエが見せたスーパーアイアンショット【勝者のギア】

国内女子ツアー史上3番目の記録となった7打差を逆転して今季2勝目を31歳の誕生日に果たした申ジエ（韓国）。最終日は9バーディ・1ボギーの「63」をマーク。圧巻は7バーディを奪い「29」を記録した後半のプレー。上位争いに加わってからは、一気に先頭集団を抜き去り、見事な大逆転を演じた。
ジエに負けたけど…　同じアイアンの吉本ひかるの悔し涙【大会フォト】
2週前の「スタジオアリス女子オープン」は、海外女子メジャーの「ANAインスピレーション」から帰国直後。疲れもある中で、是が非でもほしい今季初優勝をもぎ取った。先週は、「スタジオアリスが終わったら時差ボケになってしまって」と休養に充てたが、裏を返せば、それだけスタジオアリスでの集中力がすさまじかった。
ここぞという時の集中力は、「フジサンケイレディスクラシック」でも存分に発揮された。7バーディを奪いながら、「どのくらい集中していたかわからないくらい集中していた。スコアも知らなかったし、アテストの時にスコアを見てびっくりしました」と、猛追からのうっちゃりは無意識状態でのことだったと明かした。
そんなジエのプレーを同組で見た松田鈴英も舌を巻く。「ジエさんがスゴかった。本当にスゴい。どこからでもパーを拾って、どこからでもバーディを獲ってくる。圧倒されました」というほど、他を寄せ付けなかった。
結局は2打差での勝利となったが、ジエが勝負どころと踏んだのが17番パー3。名物ホールのひとつでもある難ホール。4日間を通して難易度2番目。ダブルボギーの数はもっとも多い10コ。強烈な砲台グリーンで、右手前に落とすと地獄、軽火器しすぎて奥に突っ込むとバンカーた下り傾斜が待つホールだ。
最終日のピン位置は右手前。「このホールが勝負かなと思いました。2日間ともフォローが強くて止まらなかったので、6番アイアンで真ん中狙いでちょっとカットしました」と、絶妙なフェードでピン奥2メートルにつけて4連続バーディを締めくくった。
ジエといえばクラブ契約をせずに好きなクラブを使うが、この17番のショットを生み出したのは、2017年11月に使用を開始したミズノの『ミズノプロ518』。同年の「大王製紙エリエールレディス」から今回までの7勝をすべてこのアイアンで勝ち取っている。
適度なスピンに高弾道。打感も気に入っているというジエだが、優勝争いをしていた選手がそろってスコアを落とした17番でのスーパーアイアンショットは、信頼できるこのアイアンだからこそ。「狙い通りだった」というウィニングショットは、確かな技術と手になじんだ道具の合わせ技だった。
ちなみに、惜しくも勝利を逃し、涙を流した吉本ひかるも同じモデルを使用。「高い球が打てるし打った感触もとてもいいので使っています」と、ジエと同じコメントを残しており、セカンドショットに自信を持つという吉本の支えになっている。
「どれというわけではなく、すべてがそろっていてこそ勝てる」とは現在のクラブに対する自信と信頼の表れ。アイアンも含め、完璧なクラブセッティングの流れが完成したといってよさそうだ。契約フリーながら、勝ち癖のついたこのセッティングを変えることなく、目標とする米韓に続く3ツアー目の賞金女王に邁進する。
【申ジエのクラブセッティング（WITB＝What’s in the Bag）】
1W：キャロウェイ エピック サブゼロドライバー 8.5度
（スピーダーEVOLUTION4 569 / S / 44.75インチ）
3W：テーラーメイド M2ツアー 15度
5W：ミズノ プロトタイプ 18度
3UT：キャロウェイ GBB EPIC 20度
4UT：キャロウェイ GBB EPIC 23度
6I〜PW：ミズノ ミズノプロ518
W：キャロウェイ MD4 50,54,60度
PT：オデッセイ ホワイトホット＃4
BALL：タイトリスト Pro V1

<ゴルフ情報ALBA.Net>