<パナソニックオープンレディース 初日◇3日◇浜野ゴルフクラブ(千葉県)◇6566ヤード・パー72>
やっぱりこの人は頂点が似合う。令和となって初めての国内女子ツアー「パナソニックオープンレディース」初日。栄えある令和最初の首位に立ったのは「65」をたたき出した鈴木愛だった。
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小祝さくら、新垣比菜の“黄金世代”2人とティオフした鈴木は、3番でグリーン左15ヤードからチップインバーディ。これで流れを作ると6番、7番で連続バーディを奪った。さらに続く8番パー5では残り68ヤードの3打目を58度で直接沈めてイーグル奪取。このイーグルは令和初、とはならなかったが、バックナインでも2つ伸ばして最高のスタートを切った。
笑顔でクラブハウスへと引き揚げてくると、辛口採点の多い鈴木が「今年始めて100点のプレーができました。全体的に良かったし、良いパットも打てました」と満足げ。そんな好プレーの裏には、先週のあるプレーがつながっていた。
今季は良いパットをしても入らない、というもどかしい展開が続いていた。そんななか、先週の「フジサンケイレディス」の最終日、12番ホール。4mのチャンスにつけたときだった。キャディから「(いつも通り)ピンを抜く?」と聞かれた鈴木は、この日も例によってあまりにもパットが決まらなかったため、半ば投げやりに「もういいよ、さしてて」と言い放った。すると、このパットがど真ん中からカップイン。その後はキャディから「さしたままのほうがいいんじゃない?」と言われたことで、ピンはそのままにパッティングを行い、2つのバーディを奪って2位タイフィニッシュを決めた。
今までバーディチャンスでは基本的にピンを抜いていた鈴木だが、この経験で考え方が変わってきた。さしたままのメリットを見いだしたのだ。「ピンをさしていないと、カップ全体を見てしまってフチから入れようとしたり、狙うポイントがぼやけてしまう。特に曲がるラインの時ですね。でも、さしているときはピンにガシャンと当てて入れるイメージなので、真ん中から入るイメージが湧く。だから、しっかりと打てるのかなと思います」。今日は基本的に抜いてプレーする予定だったが、6番で3mのバーディパットの際に「入らない気がした」とピンをさすと、これをど真ん中から沈めた。
イメージだけでなく、距離感の面でも効果があると続ける。「ナイスタッチが増えましたね。今まで平気で2mくらいオーバーしていたのが、1mくらいになった。ピンにガチャンとある程度音をさせて入れるイメージなのですが、音が鳴るくらいの距離感で打つとちょうど良いんです」。今後、ピンをさしたままやるかどうかはその時の気分によって変えると言うが、頼もしいオプションができたのは確かだ。
新元号となったからといって特に誓いを立てたわけではないが、「私の人生で新元号が変わりましたし、新たな元号でもまたたくさん勝ちたいと思います」と飽くなき勝利への執念は令和となっても変わらない。目標とする年間5勝へ。17年の賞金女王は令和となっても得意のパッティングで頂点へと突き進む。(文・秋田義和)
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