<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 初日◇9日◇茨城ゴルフ倶楽部 東コース(茨城県)◇6560ヤード・パー72>
16年以来となる茨城ゴルフ倶楽部 東コースで行われている今年の「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」。同コースで行われた15年大会で4位タイに入った青木瀬令奈が2アンダー・8位タイと上々の立ち上がりを見せた。
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ここにくると色々と思い出す。最初に浮かぶのはやはり悔しさだ。15年大会で上位争いを演じていた最終日。最終18番パー5の2打目で“直ドラ”を敢行し、左の池に落として痛恨のボギーを喫した。「あれで300万は損した」と悔しがった一打は、4年が経った今でも「それしか覚えていないくらい(笑)」と込み上げてくる。
もちろん思い出すのは、悪いことばかりではない。「朝の練習で大西翔太コーチに言われて気づいたのですが、アタックアングル(クラブがボールに当たる角度)が5度から2度くらいに下がって、クラブが思っているよりも地面と並行に入ってきていました。もう少し下から打つようにすると曲がらなくなりましたし、飛距離も伸びました」。好成績を出した地で、良かったときのアッパーブローもよみがえってきた。
大西コーチが補足する。「ドライバーを打つときは、アドレス時に状態をやや右に側屈して下からクラブを入れるかたちが青木プロにとって理想なのですが、ここ数試合は体が地面と垂直気味になっていました。結果、クラブがこれまでよりも上から降りてきていてしまったんです」とアドレスから修正したという。
だが、大西コーチも茨城ゴルフ倶楽部に来るまで、状態が上がらない理由を分かっていなかった。「15年大会は青木プロを教えはじめて3試合目だったのですが、ここでたくさんアッパーブローの練習をしたことを思い出したんです。その時はどうだったかな、と考えたら行き着きました」。こちらも忘れもしないコースだからこそひらめいたのだった。
取り戻したショットを武器に、この日はバーディを量産。「上位に入った大会ですから、すごくいいイメージで回れています」という相性も味方に6バーディを奪取した。「4日間大会なので、まずはアンダーパーでスタートできて良かった」と笑顔の初日となった。
15年は、ここで4位タイに入れたことで「コーチと取り組んでいることは間違いない」と自信を深めて初シードを獲得。2年後のツアー初勝利へとつなげた。あれから4年。18番では「飛距離が伸びたので、よっぽどスライスなどを打ちたいとき以外はもうスプーンです(笑)」と直ドラする必要もなくなった。当然目指すはその時よりも上の順位。コーチと二人三脚で作り上げたスイングで、まずは好位置で予選を突破したい。(文・秋田義和)
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