<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 最終日◇12日◇茨城ゴルフ倶楽部 東コース(茨城県)◇6560ヤード・パー72>
マンガのようなプレーに本人も目を丸くした。1アンダー・17位タイで最終日を迎えた高橋彩華。3日目の最終18番では、“地獄と天国”を味わった。
松田鈴英のアームロックはこんな握り【写真】
QTランキング28位で今季の前半戦出場権を獲得した高橋だが、今季は9戦中予選通過が1試合と苦しいシーズンを送っている。しかし今季最初のメジャーでは、難コースでしっかり耐えきり7試合ぶりに決勝ラウンドへ進出。意気揚々とムービングデーに入ったが、17番までに1つボギーが多く来る展開となった。
最後のパー5では、残り90ヤードの3打目に「完全に筋った!」という会心のショット。これが手ごたえ通りの飛球線を描き、打球はダイレクトにピンに直撃した。しかし、その後高橋は目を疑うような光景を目にすることになる。
ピンに弾かれたボールは、勢い余ってグリーンの外へ。ピンから15mの距離まで遠ざかる結果となり、「最悪〜」と肩を落とす結果となった。だが、気落ちしながら迎えたファーストパットが、ラインに乗りグングンとカップ方向へ。そのまま吸い込まれて、ギャラリーのみならず、本人もビックリするバーディをゲットしたのだった。
メジャー大会で、インパクト十分なロングパットを沈めた高橋だが、「パットはずっと悩んでいるんです」とグリーン上は頭痛のタネだという。握りを色々試すなど試行錯誤を続け、今季はクロスハンドで臨んでいたのだが、「オフに練習したんですけど、しっくりこなくて…」と、先週からは昨季までの右手の甲が正面を向くクロウグリップに戻している。
だが「もう色々試して、何周もしてわけが分からなくなっています(笑)」という高橋のクロウグリップ、大きな“ヒミツ”が隠されているそうで。「実は右手はほとんどシャフトに触れていないんです(笑)。ずっとパットの時に右手が邪魔するのが悩みで、ほとんど左手一本で打ってる感じです。私のは“持っている風”の握りなんです」と新たな境地に達している様子。
この“一本足打法”ならぬ“一本手打法”、やはり珍しいようで、オリー・シュナイダーヤンズ(米国)が試合中に行い、PGAツアーが「ユニークなパットのストロークだ!」というコメントとともに映像を配信したこともあるほど。このシュナイダーヤンズのケースや、練習グリーン上で、選手達がストローク調整のために取り入れる完全な片手打ちほど極端なものではないが、高橋の迷走がこのまま続くようだと…「最終的には、右手もそえず、本当に左手一本だけで打ち始めちゃうかもしれませ〜ん」ということも頭をよぎっているようだ。
なにはともあれ、“最終手段”を取り入れる前に、まずは「兆しが見えたという感じ」と語る今大会で、迷路の出口を探し出したいところだ。(文・間宮輝憲)
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