<関西オープン 3日目◇25日◇KOMAカントリークラブ(奈良県)◇6979ヤード・パー72>
3位タイでスタートした中西直人が、6バーディ・2ボギーの「68」で回り、首位と2打差のトータル13アンダー、単独3位でフィニッシュした。
人気急上昇?中西直人がファンから写真攻め【大会ライブフォト】
「ギャラリーに楽しんでもらえるようなゴルフを心がけています。そのためにはまず自分が楽しんでプレーしなければいけないと考えています」
バーディを奪って拍手や声援をもらえば、素直に“ありがとうございます!”と笑顔を見せ、ボギーを叩けば“ボギーですいません!”と申し訳なさそうに頭を下げる。最初は微妙な視線を向けていたギャラリーも、徐々に面白いヤツだという目に変わり、自然と拍手や声援が大きくなる。それがまた中西を勇気づけるという相乗効果を生んでいた。今までにないタイプであることは間違いないが、そういうスタイルに変わったのは昨年からだ。
「17年のQTに失敗した際、よほど暗い顔をしていたんでしょうね。妻(愛莉夫人)から『人生楽しまないと損やで』といわれたのがきっかけです」。だからといって、そう簡単に楽しんでプレーできるわけではない。中西なりに、どうしたら楽しんでプレーできるかと考えた。その答えは“しっかりと準備すること”だったという。体力面ではトレーニングで体を鍛えつつ、柔軟性を上げていく。技術面ではアドレスとスイングプレーンを徹底的にチェックした。その結果、飛距離と方向性がアップし、アイアンの距離感もランクアップした。
「しっかりものの妻なので感謝しています。実は、14年にアジアンツアーで戦っていたとき、孤独に耐えられず、しんどい時期があったんです。もうゴルフをやりたくないなと。でも、そんなとき、妻から『あなたにはゴルフ以外何もないよ』的なことをいわれたんです。それがなければ、本気でゴルフを辞めていたと思います」
まさに賢夫人からの金言によってすくわれた中西のゴルフ人生だが、愛莉夫人にしてみれば、中西のゴルフに賭ける情熱がどれだけ熱いのか分かっているからこそのひと言だった。最終日はその愛莉夫人はもちろん、2人の愛娘である寿華ちゃんと莉華ちゃんの前で、楽しくプレーしたうえで、優勝カップを掲げることが、最大の恩返しになる。(文・山西英希)
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