<ヨネックスレディス 2日目◇8日◇ヨネックスカントリークラブ(新潟県)◇6456ヤード・パー72>
決めれば単独首位となる最終18番での4mのバーディパットは、最後の一転がりでカップに収まった。「応援してくれた方々の声援が最後に押してくれた」と大ギャラリーを引き連れた地元・新潟県出身の19歳、石井理緒。海外メジャー覇者のキム・ヒョージュ(韓国)と並び、トータル7アンダーの首位タイで最終日を迎える。
後輩も来てるのかな? 地元・応援団と石井理緒【LIVEフォト】
「ここのコースなら自分にもチャンスがある」。ここまで、まさにその通りの展開となっている。出だしの1番で2mを沈めて早々にバーディを奪うなど前半だけで3バーディ。さらに後半でも2つ伸ばして「67」でリーダーボードの頂点でホールアウトした。後続のヒョージュに並ばれたが、堂々のポールポジションにつけた。
昨年のファイナルQTで17位に入り今季前半戦の出場権を掴んだが、ここまで13試合に出場して予選突破はわずかに3度。最上位は22位タイと結果を残せていなかった。それでも「何回ラウンドしたかは分からない」という地元コースでの戦いには自信があった。
「他の方よりも知っている分、有利だと思っています。この試合に出られると決まったときから楽しみにしていた。行ってはいけないところを分かっています。他のコースで首位発進をしたのであれば自分でも驚きますが、ここならなくはないと思っています。何度もここで行われる試合などに出ていますが、悔しい思い出はありません」
攻略のカギはショットだと続ける。「グリーンが大きい分、ロングパットはしたくない。距離感を合わせるのがすごく難しいので。だからなるべくショットでピンに近づけていきたい。でも狙いすぎたら近くても3パットするところに行く可能性もある。チャンスがくるまで耐え続けるのが大事」。パーオンしたからOK、ではなくグリーンが大きいからこそデッドにつけていく必要があるのがミソ。
初日に首位発進を決めた吉本ここねは同級生。一つ上に勝みなみらいわゆる“黄金世代”、一つ下には安田祐香ら“プラチナ世代”に挟まれた学年である。下が活躍する度に仲の良い菅沼菜々と「また(私たちの世代は)飛ばされたね(笑)」と言いあうが、同時に「自分たちも頑張ろう」と互いに鼓舞し合っている。
「いつも応援してくれるヨネックスさんの前で良いプレーがしたい」と話す孝行娘。地元・新潟を盛り上げるためにも、クラブ契約を結ぶヨネックスに恩返しするためにも、そして“谷間”の世代と言わせないためにも。大声援を味方に総仕上げにかかる。(文・秋田義和)
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