<全米オープン 事前情報◇11日◇ペブルビーチGL(カリフォルニア州)◇7075ヤード・パー71>
「こわい」。会場のペブルビーチ・ゴルフリンクスで2.5ラウンドの練習ラウンドを終えた松山英樹の感想だ。
松山もビックリ 美しくも恐ろしいペブルビーチ【写真】
景観美と難易度が融和した米屈指の名門は、大西洋沿岸に位置し、4番から10番、そして18番は海岸沿いにレイアウトされ、ところによっては絶壁や崖。「コースの印象ですよね、難しいですよね。狭いですし、グリーンもちっちゃいですし。景色は最高です。先に言っておきます」と前置きした上で、ある告白をした。
「4番からビックリしましたね。こわいですね、8番のセカンドとか」と、崖越えのパー4を例に挙げ、「海が見えるところはやりたくないです。高さがこわいです。命綱があってもムリです。景色がいいので回りますが」と、景観よりも高さがこわいとか。
7番はコースの中でも名物として知られるホール。海岸沿いの打ち下ろしはなんと109ヤードのパー3。かつては、風が吹けばウェッジからロングアイアンまで使うとされているホールでも、「レディスティから回っているようですね。グリーンもちっちゃいし、微妙な風もある、そこをどう打つか」と警戒しながらも、独特の表現は絶好調だ。
そんな冗談ともとれる発言を繰り返すほど、笑顔も見られるラウンド。この日は昼過ぎからインの9ホールを回った。「これだけ(グリーンが)小さいと、ちょっとのミスが行ってはいけないところに行く。グリーンに乗せることだけを考えます」と、まずは安全策優先を強調するが、「乗って、チャンスと思えるラインが来ればしっかり狙って行きたいです」と、好機を待つ作戦だ。
2週前の「ザ・メモリアル・トーナメント」は優勝争いの中で伸ばせずに6位に終わったが、手応えを感じている。調子も悪くなさそうと振られると、「そう見えるならそれでいいと思います」と笑顔で答えるなど、リラックスムードは変わらない。
悲願のメジャー制覇まであと少し。青木功に続いて、自身が2年前にマークした2位という日本人最高成績を更新するのは優勝のみ。ビッグタイトルに向かう松山の戦いから目が離せなくなりそうだ。(文・高桑均)
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