<全米オープン 事前情報◇11日◇ペブルビーチGL(カリフォルニア州)◇7075ヤード・パー71>
圧勝劇という言葉が似合う試合はそうそうない。19年前の2000年「全米オープン」。ゴルフ界の圧勝劇を代表する試合を見せたのがタイガー・ウッズ(米国)だった。
景観美と難易度が融和した名門 ペブルビーチ・ゴルフリンクスの全貌【写真集】
2位に15打差。トータル12アンダーは唯一の4日間アンダーパー。伝説の幕開けを告げる世紀の一戦に、ペブルビーチ・ゴルフリンクスは熱狂の渦に包まれた。
あれから月日が経ち、ウッズも43歳。「あの頃の自分には戻れない。みんなそうだろ?」と、時代の移り変わりを実感するが、「マスターズ」で11年ぶりに海外メジャー優勝。調整と休養をうまくブレンドした2カ月を過ごし、再び栄冠に輝くことはあるのか。
開幕を2日後に控えた火曜日は、当初はラウンド予定だったが、急きょ軽い練習と公式会見のみ。そこで、今大会の攻略ポイントを語った。異次元のゴルフをした19年前は「とにかくパットが入った」と、約3m以内を外さなかったというが、「ポイントはアイアンショット。どこに乗せるか」だという。
距離は全米オープンとしては短い7000ヤード台。ロングヒッターからショットメーカー、飛ばない選手にも平等にチャンスがある。「結局みんな同じポジションからグリーンを狙うことになるコース」と、ティショットの差が出にくいコースでは、今では新世代のロングヒッターより劣る飛距離でも十分に戦える。それだけに、「19年前の鮮明な記憶も攻略に役立つ」と自信を見せる。
体調も万全で、あすは「大会に近い日にコースがどうなっているか見たい」と、最後の練習ラウンドの予定。「いい方向に向かっている」という通り、優勝となればメジャー16勝目。ジャック・ニクラス(米国)の持つ「18勝」にあとふたつと迫る。「どれだけ健康で強くいられるか。それができれば(優勝)できると思う」。みなぎる自信が大会11年ぶりの栄冠を呼び込むことになる。(文・高桑均)
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