<資生堂 アネッサ レディスオープン 3日目◇6日◇戸塚カントリー倶楽部(神奈川県)◇6513ヤード・パー72>
海外女子メジャー「全米女子オープン」の最終日に「68」の好プレー。「ここまでの3日間はショットを曲げたくなかったから、全然振れていなかった。アイアンもしっかり振っていったらちゃんとスピンもかかった。考えすぎだったんでしょうね」と世界最高峰の戦いでも自身のショットが通用することを実感して帰国した岡山絵里。だが、それからはもどかしい日々が続いていた。
河本結、この日一番のスマイルいただきました【LIVEフォト】
一番の原因は“考えすぎ”。「私の場合、気持ちの部分で問題になることが多い。自分に厳しくなって視野がどんどん狭くなる。そしてミスをしてしまう」。全米女子が終わって「まだまだ練習が必要」と感じたアプローチなど課題は山積み。余計に完璧を求めすぎて結果につながらなかった。
転機となったのは「宮里藍 サントリーレディス」。決勝ラウンドで同じ組となった上田桃子に意を決して話しかけた。「私の何がダメだと思いますか?」。普段から恐れ多い大先輩だが、2サムとなった絶好の機会。こんなチャンスはほとんどないと勇気をだした。
返ってきた言葉は「このまま続けたらいいと思うよ」から始まるお褒めの言葉だった。「てっきり難しいことを言われると思っていました。あまり褒めない、とおっしゃっていた方に褒められてホッとしました。それから許せることが多くなりました。不運がきても受けいれられるようになった」。ツアーで15勝をしているショットメーカーからの言葉は、岡山を変えるには十分すぎるほどだった。
その宮里藍 サントリーレディスでは、最終日にダボを叩きながらも12位フィニッシュ。気持ちとともに状態も上向き、今週の「資生堂 アネッサ レディス」では3日目を終えてトータル10アンダーの3位タイにつけた。この日は終盤で2つのボギー。それでも「仕方ないボギーだったので」と切り替えられている。今までだったら引きずっていたことだろう。
「久しぶりにリーダーボードに名前がありました(笑)」と、周囲を見る余裕も出てきた。持ち味のショットは「全米の時よりも良くなっている。今は振ろうとしなくてもクラブが振れているすごくいい状態」ともう一段階レベルアップ。首位を走るイ・ミニョン(韓国)とは3打差と、全米女子の時と比べれば十分に優勝圏内。余裕を取り戻した日本が誇るショットメーカーが、韓国勢最強のショットメーカーをいよいよ捉えにかかる。(文・秋田義和)
<ゴルフ情報ALBA.Net>