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初優勝の小祝さくら 辻村明志コーチが語るこれまでの秘話【辻にぃ見聞】

「サマンサタバサ レディース」で小祝さくらがようやく初優勝を手にした。プロとなってから61試合目。これまで2位は4度もあった。指導するプロコーチの辻村明志氏も、ツアー屈指のショットメーカーであるイ・ミニョン(韓国)とのマッチレースを制した姿を見て、改めて成長を感じていた。

■小祝さくらにも流れる“荒川流” 継続する力が継承のスピードをさらに加速
辻村氏と小祝が出会ったのは、小祝が高校3年生のとき。辻村氏は上田桃子のコーチを務めているため、本格的にコーチするようになったのはシーズンが終わった2016年の冬だった。ちょうどその少し前に、辻村氏は師と仰ぐプロ野球・巨人軍の打撃コーチとして王貞治氏を指導した故・荒川博氏からこんなことを言われていた。
「コーチとして10人くらいの弟子を持てるように頑張れ、と言われていました。そして教え子ができたらこういう練習をするといいぞ、と沢山の練習の仕方を教えてくれました」。
辻村氏は教えるに当たり、小祝にこう伝えたという。「今のショットではプロで通用しない。まっすぐ飛ばせているけど飛距離が足りない 打球が弱い。毎日素振りとランニングをしたほうがいい」。これも荒川流の一つだ。「走り込みで下半身を鍛えて、素振りで振る力をつける。もちろんスイングも大事ですが、しっかりとした体がなければだめ。野球のコーチとして荒川先生が培ってきたものを、ゴルフとつなげて伝える。そうやってさくらにも荒川流を染みこませていきました」。
この辻村氏の思いに、小祝も全力で応える。次の日から言葉通り雨の日も風の日もクラブを振り続け、下半身をいじめ続けた。一日たりとも休むことはない。その姿勢にコーチとしても頭が下がる思いだという。
「小祝さんの強さは素直さと継続できること。普通の人なら“今日はいいかな…”となる状況でも、決めたことは絶対にやる。だから成長がとてつもなく早いんです。また、よくコーチは“教える上手さ”と言われますが、彼女の場合は“教えられる上手さ”がとてもすごい。こちらが言ったことを真摯に継続するからこちらとしても熱を持って伝えられるし、“下手なことを教えられないぞ”という気持ちになる。そこが小祝さんの魅力であり、強さの一つだと思います」(辻村氏)
たゆまぬ努力の結果、コーチについた当初は39.5m/sと40にも満たなかったヘッドスピードが、今ではマックスで44.1m/sまで成長。ショットの上手さを現すボールストライキングはツアー2位まで上り詰めた。もちろんスイングがよくなったこともあるが、一日も欠かさない素振りと走り込みという荒川流の効果があるのは言うまでもない。
■これまでの優勝争いと違った気持ち 『氣』はこうした部分に表れた
そこまでの努力を続けていても、ずっと手が届いていなかった初優勝。これまでと今大会とでは何が違ったのか。小祝は“勝ちたい”という気持ちだといった。
「辻村プロから勝つには“自分が優勝すると思ってプレーしないとダメ”と言われていました。自分でもそれを目標として頑張れた」。待っていても栄冠には届かない。自らの力でつかみにいったのが勝因だと優勝会見で語った。
一本足打法を生んだ名伯楽・荒川氏は、合気道の『氣』という言葉を大事にし、巨人軍のV9にも大きく貢献している。この『氣』は最終日のプレーをずっと見守っていた辻村氏もひしひしと感じた部分だった。
「ちょうど今大会が始まる火曜日に“勝ちたい”ではなくて“勝つ”と思ってやろうと話していたんです。“勝ちたい”ではいつになるか分からない。こういった話ができたのも、さくらが好調だからです。今の彼女のゴルフなら、“勝つ”と思ってやればできると思っていましたから」(辻村氏)
こうした『氣』は目に見えるかたちとなって表れた。これまで何度も挑んだ優勝争い以外の試合を入れても「ほとんど見たことがない」(辻村氏)と感じるほどミスショットが少なかった。これは単に調子がいいからではなく、『氣』が入っていたからだという。
それが分かるのが、打つ前のルーティン。打つ方向に向けてクラブを出したときだった。
「打つ前に目がターゲットからそれなくなっていました。目とターゲットとで『氣』が一本の線に結ばれていました。今までは逃げてしまっていた場面もありましたし、自分でゲームを作ろうとしているようなところもありました。ですが、今回はターゲット、そしてピンだけに集中していました。そうしたときのショットはそう簡単に外れるものではありません」(辻村氏)
グリーン上でも少し『氣』を張った状態を保った。これも今、取り組んでいることの成果だという。「グリーンに上がった段階、もっといえば上がる前の段階から全ての情報を集めて、自分の打ったボールが転がっているイメージをどこまで作れるかが大事。自分の順番が来てからラインを読んで打ちます、じゃだめ。他の選手がプレーしているときも自分がこれから打つボールをイメージするために動く。素振りもそう。ただ、ストロークを確認するのではなく、いかにこれから自分が打つボールをイメージできるか。当たり前のことかもしれませんが、もう一度徹底しています」。それが3日間で平均パット数2位という結果となって表れた。
■まだまだ物足りない部分ばかり 今は潜在能力のちょうど半分
とはいえ、師弟ともにまだまだ満足していない。それがうかがえるのが優勝した日の出来事。
「優勝したその日に一緒にご飯食べていたのですが、ちょうど終わるタイミングで“ランニング行ってきます”と。さすがに驚きましたよ(笑)」(辻村氏)
優勝した翌日には小祝から「1時間だけ見て欲しい」と連絡が入り、2人で2時間ショット練習に打ち込んだ。「1時間といいつつ2、3時間やるのは2人の暗黙の了解のようなものです。その練習でも気持ちの入っていた球を打っていました。慢心は全くありません」。優勝しても、継続をやめない強さがここにはある。
期待が大きいからこそ辻村氏も厳しい言葉で締めくくった。「良くなる要素はまだまだたくさんあります。まだ、潜在能力の半分しか出せていません。いずれ日本ツアーのトップ、そして海外メジャーで戦える選手にならなければダメ。なんたって“世界の王”さんの遺伝子を受け継いでいるんですから」と発破をかけた。
解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、山村彩恵、松森彩夏、永井花奈、小祝さくらなどを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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