<センチュリー21レディス 最終日◇28日◇石坂ゴルフ倶楽部(埼玉県)◇6470ヤード・パー72>
33度の気温に加えて朝まで降り続いた雨による湿気で、灼熱のような暑さとなった「センチュリー21レディス」は、試合展開も熱いものとなった。何度も首位が入れ替わる大混戦となるなか、栄冠を手にしたのは、最終18番でバーディを奪いトータル9アンダーとした稲見萌寧だった。
初優勝を挙げて大粒の涙を流した稲見萌寧【写真】
稲見が最後のバーディパットを沈めるまで並んでいたのが、トータル8アンダーで2位タイとなったイ・ナリ(韓国)と青木瀬令奈。2014年の「日本女子オープン」以来となるトップ3フィニッシュとなったナリは、「私は精一杯やった気持ちがありましたし、待つしかなかった。結果に納得できるように待っていました」という気持ちで稲見のプレーを見つめていた。13年以来となる優勝はならなかったが、「調子は良くなっているので、また来週以降も頑張りたい」と前を向いた。
一方の青木は最終18番で5mのバーディパットを決められず、抜け出すことができなかった。「(ラインを)浅めにしっかりと打てたらなと思っていたのですが、ちょっと打ち切れなかったですね」と悔しがった。とはいえ、ショットの調子が上がらないなかでのこの成績は評価できる。「気持ち的にも技術的にもうまく騙しながらできました。先週に続いてトップ10に入れたのは良かった。夏女として上り調子なんじゃないかなと思います」と確かな手応えを胸にコースを後にした。
16番パー3でもう少しでホールインワンというショットでバーディを奪い、トータル8アンダーで一時首位に立った臼井麗香。しかし、18番で2打目をグリーン奥にこぼすと、勝負をかけたアプローチは「完璧に打てた」もののわずかに決まらず。返しのパーパットも外してトータル7アンダーの4位タイで終わった。
「(アプローチの時点で)順位は分かっていました。後悔はしたくないので、絶対ショートはしたくないと打ちました。(パーで)プレーオフという選択肢もあるかもしれないけど、入れに行こうと思いました」と心境を語った臼井。「後悔はありません。もう来週のことを考えています。この順位に入れて手応えを感じています」と話した。
もう一人、この日首位に立ったのが原英莉花。出だしの1番パー5で2オンに成功してバーディ発進を決めると5番でもバーディ。稲見がスコアを落としたため、首位タイで並んだ。だが、9番でティショット、2打目を右に曲げてボギーとして首位から陥落すると、その後はバーディを奪えずトータル5アンダーの7位タイと大きく順位を落としてのフィニッシュとなった。
ホールアウト後には悔し涙を流した。「ティショットがずっと良くないので仕方ないと思います。初日がよかっただけにもったいないと思いますが、課題がたくさん出た試合となりました。最後のほうでパットを決められたら違う勝負になっていたかもしれませんが……。また自分を信頼してプレーできるようにしっかり練習したいと思います」と絞り出した。
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